12話 行き着く先は…
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「…何で?」
私は現状に対して呟いた。眉を顰めて、信じらんないと続けた。
「仕方ありません」
その呟きに返したのはジェイドで、声を漏らしたのは今の現状についてだ。そう、なぜか私はジェイドと同室にされてしまったのだ。一応、寝室は別なんだけど、他は共同なのだ。理由は私がジェイドの"部下"だから。まぁ、まだ和平が締結されていないから、私達は敵国の軍人…一緒にしておいたほうがいろいろと都合がいいんだろう。
「…そう、ですね」
これ以上言っても仕方ないのでこの事は諦め、余計なことを聞かれる前に寝室に篭ろうとしたら、先手を打つように、真咲と名を呼ばれた。
「…なんですか?」
何か怖くて思わず、身を引いてしまう。ジェイドは私の前まで寄ってきた。
「ディストが渡した物を出しなさい」
ポケットに手を入れたまま、声音を低くして訊いてくる。私が一歩下がろうとすると、素早くポケットから手を出して私の手首を掴む。
「――いたっ!」
痛くて声をあげるが、手を放してはくれなかった。赤い瞳が私を見つめる。
「や、破いて捨てたって、言ったはずです!」
彼の瞳から逸らすことが出来ない。声が震えてしまう。本当のことを話してしまえばいいのに、何で意固地になってしまうのだろう。
「嘘をつくのは止めなさい」
私が嘘をついていることなんてお見通しなんてことは分かっている。あんな言い訳が通用するわけがないことを…それでも。涙がじわぁと、浮かんできた。ここで泣くのは卑怯だと、下に俯き空いている手で目をごしごしと擦ると上から溜息が聞こえる。