12話 行き着く先は…
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「マルクト帝国第三師団所属、真咲・霧島と申します」
余計なことは言わないように、名だけを名乗る。先日軍人になったばかりなんだから他何もわからないし。
「そうですか…では、ルーク様は私どもバチカル守備隊とご自宅へ――」
なんか、嫌な感じ。品定めをするような目で見てくる。まぁジェイドと一緒に来た軍人が私みたいな名も知らぬ小娘だったからだろうけど。
「待ってくれ!」
ルークが声をあげる。全員の視線が彼に移り、私もルークを見る。
「俺は、イオンから伯父上への取次ぎを頼まれたんだ。俺が城に連れて行く」
きぱっりと言ったルークにイオンは心強いと、ティアは見直したと言う。嫌になる、物語を知っているということは。ルークがそう言ったのには裏があるから。人知れず溜息をつく。ここに来てから溜息ばっかりだ。
「――真咲、行きますよ」
再び背を叩かれので見上げれば先ほどとは変わって、笑みを消したジェイドがいた。ディストの一件以来、みんなと少し溝が出来ていた。あからさまに隠し事をしているのだから、仕方ない。話してしまえばいいのに、何故か出来ない……怖いのかな。先に歩くみんなの少し後ろを歩く。天空客車に乗れば、バチカルの町を見渡すことが出来た。
縦長の建物を下から上までを見上げれれば、正に壮観だった。口を開けてぽかんとしてしまう。屋敷の外を知らないルークに代わって、ガイが城まで案内をしてくれた。楽しそうに話しているみんなの輪に入れないでいる自分が嫌になる。たぶん、自分から一歩下がってるんだろうな自暴自棄気味に笑みを零した。いつかは考えるべきなのかな…みんなから離れることも。まぁ、いつまでも一緒ってわけにもいかないんだろうけど。