11話 真実と秘密
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「おい、あれ…」
「殺して死ぬような男ではありませんよ。ゴキブリ並みの生命力ですから」
ルークがディストが消えた先を指差せば、眼鏡の位置を直しながら面倒そうに言うジェイド。
「そう言えば真咲、さっきディストが渡してきたの、なんだったの?」
アニスがてけてけ近寄って来て思い出したように訊いてきた。私も気になってはいたから、ポケットから封筒を取り出し、中に入っていた紙も取り出す。アニスが覗こうとするのをイオンが止めるのを見て、手にした紙に視線をやる。
「――っ!!」
私はその内容に愕然として、慌てて紙を封筒に戻す。ガイがどうしたと訊いてきたが、すぐに返事ができなかった。様子がおかしいのを感じ取ったジェイドが近づいてくる。
「何が書いてあるのですか?」
私から封筒を取り上げようとしたが、それをかわし、封筒を丸めてポケットに突っ込む。私の不審な行動にジェイドが眉を顰める。
「な、なんでもない!」
怪しいのは分かっているがとっさには何も浮かばず、私はみんなに背を向けて走り出した。何でもない訳がないと肯定してしまったのは分かっているけど。後ろからはアニスやガイが私の名を呼ぶ声が聞こえるが、立ち止まることも振り返ることもなく走り続けた。先程いたとは反対側の甲板まで走って、手すりに寄りかかって座り、膝を抱えた。震える体を両腕で力いっぱい抱きしめる。ディストに渡された紙にはこう書かれていた。
『血液検査結果。1・被験者の血中音素の数値は常人の通常時に比べ著しく低く、安定していない。2・被験者は第七音素を体内に受け入れることがほとんど出来ず、回復系の譜術の効果が薄い。逆に第一から第六音素に反応しやすく通常に比べ、効果が増加する。3・何故そのような状態であるかは原因不明』
そして最後に――『現在、生きていることは異常である。いつ、音素が乖離して死んでもおかしくはない』と、書かれていた。要は傷は治りにくく、譜術ダメージは効きやすい…ってことだろう。そして――私は死んでしまうの?じゃあ、私はなんなの?何で生きてるの?私がこの世界の人間じゃないから?頭に疑問が浮かぶ。答えは見えないのに。
どうして、私は存在するの?
そんな結果
そんな真実
知りたくなかったよ…