11話 真実と秘密
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「…こんなに青い海を見るのが初めてなんです」
私の住んでいた所の海は汚いからと付け加えて、振り返らず海を見つめたまま答える。ここに来てから、良いことも悪いことも初めてづくし。一面緑の草原に、満点の星空に、見渡す限りの青い海。特別な力を手にしたり、人を殺したり、誘拐されたり。たった、ひと月くらいでいろんなことがあった。
「――私は巻き込まれたとは思ってないですから」
先日のことを思い出して言う。返事はない。前を見ているから、後ろでどんな表情をしているのかは分からない。
「きっと、必然だったんです…私達の出会いは」
そう、思いたい。私がこの世界に来た理由は分からないけど、何か理由があるはず。そう、思わないと…怖くて立っていられなくなる。ぽんっと、頭に重みを感じる。いつの間にか傍に来ていたジェイドが私に頭に自身の手を置き、優しく撫でられる。慣れてしまい、もういちいち反応はしない。
「…そうですか」
まだ撫で続けている。さすがにそろそろ、やめて欲しいんだけど。ちらりと隣のジェイドを伺えば、いつもの笑みを浮かべていた。気の済むまで放っておこうと思ったその時―――
「――いたっ!」
急に頭痛に襲われた。魔術は使ってないのに。――痛い、痛い!!
「真咲?」
両手で頭を抱える。ジェイドも何事かと私の頭から手を離す。割れんばかりの痛みが頭に響く。