11話 真実と秘密
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
知ってしまった…
私は誰?
どうして存在するの…
早朝、ケセドニアに向けて船が出発した。みんなは甲板に行くと出て行き、その際にアニスとイオンにも誘われたけど私は断った。ヴァンに会いたくないから勉強をすると言って船室に篭っている。しばらくジェイドに借りた本を読んでいたけど、所々読めない所があって止めてしまった。借りた本が今の私のはまだ早いらしく、内容も結構難しかった。
「ちょっと、休憩~」
椅子の背にもたれ掛かる。腹部の傷もティアのおかげでほとんど良くなった。まだ、完治とは言えないけど。
「―――甲板に行かなければ、平気かな」
部屋に篭るのも限界で船室を出たのはいいが、甲板以外にいける場所があったかな?と考える。確か、操舵室にジェイドがいたはず。船室と甲板以外ならと、操舵室に足を向けた。
「ジェイドさん」
私が声を掛けると、首をこちらに向ける。すぐに前に戻してしまったけど。私は窓のほうに足を進め、眼下に広がる海を見る。
「…初めて、見た」
ぽつりと呟く。青い海。それは初めてだった。都会の海なんて青って言うよりは黒っぽいんだもん。
「海は初めてですか?」
先ほどから黙っていたジェイドが口を開いた。小声で言ったんだけど、聞こえてたんだね。