10話 変わりだした物語
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「…いえ、気になさらいでください」
早くどこかへ行って欲しかった。足に力が入らなくなる。そんな私を知ってか知らずか私を見下ろしながら、口角を少し上げて笑う。ぞっとした、まるであの夢のように。
「――貴殿の力、私のために使わないか?」
突然のヴァンの言葉に一瞬、声を失った。何を言ってるのこの人!?
「ご、ご冗談を。私はマルクトの軍人ですよ?」
動揺は隠せなかった。いきなり、あんなことを言われれば動揺してしまう。私の事を知らないはずだ。でも何故そんなことを。
「――失礼した。どうも、アリエッタがあなたを気に入ったようでして…」
ハハっと口では笑ったが、目は笑っていない。何か知っている?イオン同様に…聞いても何も聞き出せないだろうし、聞いてはいけない気もした。
「それでは失礼する。アリエッタの件でイオン様とお会いしなければならないので」
呆然と立ち尽くす私にそう言って去っていった。先ほどのヴァンの言葉を思い返した。私のため――それは、この世界を壊せっていうの?寒いわけでもないのに、両手で腕を抱く。
「あの夢で、私を…」
殺そうとしたのはヴァンなの?と口に出しそうになったとき、人の気配を感じた。顔をそちらに向ければ、ジェイドだった。
「ここにいましたか。まだ、怪我が治りきってないのですよ」
どうやら、出て行ったきり帰ってこない私を探しに来たらしい。一応、ジェイドの部下だから。