10話 変わりだした物語
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「…ありがと、ティア」
「あまり、無茶をしないで」
きつく言われてしまった。まぁ、約束を破ったのだから文句は言えない。ティアのおかげで腹部の痛みもだいぶ引いて、歩くには支障はないようだ。コーラル城を後にし、カイツール軍港に向かう途中にジェイドに声を掛けられた。お説教かなぁ。
「すみませんでした」
と、またいきなり謝られた。説教をされると身が得ていたのに、虚を突かれて目を丸くしてしまう。
「ジェイドさん?…私のほうこそ謝るべきじゃ?」
恐る恐る隣を歩くジェイドを見上げる。ジェイドはくいっと眼鏡の位置を直す。
「……私はあなたを見捨てようとしました。イオン様をバチカルへお連れするのが最優先だと考えました」
私を見捨てようとしたことを詫びているらしい。ふっと私は笑みをこぼした。それを見た、ジェイドが目を見開く。
「当たり前じゃないですか。私とイオン様を天秤に掛けること自体が間違ってますよ!私の命より、イオン様が親書を届けるほうが大事です!」
それが当然だといった感じで腰に手を当てて言えば、上から深い溜息が返ってきた。ジェイドは両手をポケットに入れ、目を伏せる。そして、こちらを見た。
「…前にも言いましたが、あなたはもう少し自分の命を大切にしなさい」
なんとなく、険しい顔をしているように見える。怒らせたのかな?でも、間違っていないと思うけど…
「見捨てようとした私が言うのもなんですが…」
「私のほうこそ、すいませんでした。迷惑ばかりお掛けして…」
ジェイドが言葉を続けたが、私も透かさず謝罪をする。私のわがままでアリエッタを二度も見逃してもらったり、怪我ばかりしたり。挙句の果てには誘拐されたり…我ながら情けない。