10話 変わりだした物語
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「…アリエッタ、勝敗は決したよ。もう、やめよ?」
私は再びアリエッタに向かって歩き出す。ジェイドはまた腕を掴んで止めようしたけど、その前に彼の手を払う。来ないで!、とぬいぐるみをぎゅうっと抱くアリエッタ。
「―――!?」
私はアリエッタを抱きしめ、桃色の髪を撫でてあげる。一瞬、ビクっとしたけどアリエッタは大人しく受け入れてくれた。
「アリエッタ…このまま大人しく帰って?」
頭を撫でながら呟くように言うと、私の傍にジェイドが近寄ってくる。
「やはり見逃したことが仇になりましたね」
手に槍を持ち、こちらを見据えている。私も彼を見上げ、アリエッタを抱く力を強める。
「待って下さい、アリエッタは教団に連れて帰り査問会にかけます。ですから、ここで命絶つのは――」
「それがよろしいでしょう」
イオンがこちらに駆け寄り、ジェイドを止めに入ると同時に階段のほうから声がした。
ドクンっと心臓が跳ねる。現れたのはヴァンだ。
「師匠…」
「カイツールから導師到着の伝令が来ぬから、もしやと思い来てみれば…」
「すいません…ヴァン」
ヴァンの言葉にイオンは肩を落として謝罪する。まぁ、いいでしょうと言い、私とアリエッタのほうを見る。アリエッタは再び、ビクっと体を震わせ、私は息を飲んだ。
「過ぎたことをあれこれ言うつもりはありません。アリエッタは私が拘禁したいと思いますが、よろしいですか」
「お願いします」
ヴァンの言葉にイオンが頷く。アリエッタは小さく、真咲と私の名を呼ぶ。手を放せということらしく、私が手を放すとアリエッタはヴァンに向かって歩いていく。