10話 変わりだした物語
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「ふみゅう…イオン様を庇っちゃいました。ルーク様、ごめんなさーい」
重い体に鞭打って、階段を駆け上がる。階段を上りきれば、うわぁと言う声とともにルークが魔物に捕まっていた。アニスもイオンを庇って捕まっている。魔物が今度こそとイオンを狙うが、ジェイドが素早く護衛に入る。屋上の奥にはぬいぐるみに顔を埋めているアリエッタがいた。傍らには整備隊長を背に乗せたライガが控えている。
アリエッタはぬいぐるみから顔を離し、片手を挙げると、それが合図でアニスを捕らえていた魔物がアニスを離す。落とされたアニスはとっさにトクナガをクッションにする。
「いったーい!ひどい、アリエッタ。痛いじゃん!」
トクナガを片手に持って、アニスが起き上がる。アリエッタは再びぬいぐるみに顔を埋めてしまった。
「ひどいの…アニスだもん!アリエッタの…アリエッタのイオン様をとっちゃったくせにぃ!」
「アリエッタ、違うんです!」
ジェイドの背に庇われながらイオンが叫ぶ。
「あなたを導師守護役から遠ざけたのは、そういうわけではなくて―――」
本当のことをここで言うのかは分からなかったが、イオンが言葉を続けようとすると、遠くから場の雰囲気を壊す笑い声が聞こえてきた。
「うわああぁー!」
上空のルークが声をあげる。ルークを捕まえていた魔物は彼を空中で離した。落下していくルークを空飛ぶ椅子もとい、ディストが受け取る。
「ハーハッハッハッハッハッ!」
ディストはルークを膝の上で受け取り、どこからか出した注射をルークの首筋に打つ。ルークは「うっ」と呻いて気を失ってしまい、ディストはそのままルークを連れ去ってしまった。それに気を取られているうちにアリエッタもライガにまたがって塔から飛び降りていった。