10話 変わりだした物語
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「分かるさ。抜けてんのは…俺の家族が死んだときの記憶だけだからな」
ガイの言葉にみんなが黙り込む。聞いてはいけないことを聞いてしまったというような表情をしていた。私はまだ、目を伏せたままだ。
「俺の話はもういいよ。それよりあんたの話を―――」
「あなたが自分の過去を語りがらないように、私にも語りたくないことはあるんですよ」
ジェイドのほうを振り返ってガイが言えば、彼は瞳を隠すように眼鏡を抑えながら答えた。そう言われてしまえば、みんなもそれ以上は聞かなかった。
「…真咲は大丈夫なのか?」
目瞑って下を俯いていた私にルークが声を掛けてきた。心配してくれたんだ。
「うん、大丈夫」
まだ、お腹は痛いし、体の痺れも取れきってはいない。けど、ルークにみんなに心配を掛けたくなくて笑って見せる。ルークはどうしていいか分からない顔をしている。可愛いな。そして先を進めば、崖のようなところに出て、更に先に進める通路が見えた。そこには――アリエッタのライガがこちらを見た後、そのまま奥へと進んでいった。
「待て!」
「ルーク様、追いかけましょう!」
ルークとアニスはいきなり走り出した。二人が走り出すと、ミュウとイオンまでも追いかけていった。止めようにも私は体がまだ万全ではなく、三人と一匹はダッシュでいなくなってしまった。
「待って、罠かもしれない…」
ティアの声は彼らには届いてはいない。ここでルークが捕まり、来た道を戻ることになる。少々面倒だが、仕方ない。
「大丈夫かい?」
そんな三人と一匹に溜息を付いた私に今度はガイが声を掛けてきてくれた。平気と答えれば、苦笑いだけが返ってきた。