10話 変わりだした物語
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「きゃーっ!!」
この広い部屋にアニスの悲鳴が響く。その声に全員がアニスのほうに視線を向けた。
「ご主人さまぁ、鼠が!鼠がいたですの~怖いですの~!」
鼠が苦手なミュウの声がしたと同時にアニスが側にいたガイの背中に抱きついた。一瞬、ガイの体が硬直する。
「――うわああぁっ!!や、やめろっ!!」
突如、ガイが大声を上げて背中のアニスを振り落として突き飛ばす。全く対応できなかったアニスは尻餅をついてしまい、皆は突然のことに声が出なかった。
「な、何…?」
唯一、突き飛ばされたアニスが声を上げる。だが、何が起こったのかは分かってはいなかった。ガイはハッとして、アニスを見た。
「…あ、お、俺……すまない。体が勝手に反応して――悪かったな、アニス」
ぎごちない笑顔を浮かべて謝罪をするが、手を差し伸べることはなかった。ううん、出来ないんだ。ガイの代わりにイオンの手を借りてアニスは立ち上がった。
「ガイ…あなたの女性嫌いというのは、いったい何が原因なんですか?今の驚き方は尋常じゃありませんよ?」
「ガキの頃はこうじゃなかったし…ただ、すっぽり抜けてる記憶があるから、もしかしたらそれが原因かもな」
ジェイドの質問にガイが答える。その姿は痛々しく見えた。私は知っている…でも、私からは言えない。
「お前も、記憶障害だったのか?」
「違う……と思う。一瞬だけなんだ、抜けてんのは」
「どうして一瞬だと分かるの?」
ルークが聞けば、ガイが否定する。それをティアがさらに聞いてきた。ガイはティアのほうに振り返る。