10話 変わりだした物語
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「兄さんは、アリエッタを処理するとは言ったけど、真咲や整備士を助けるとは言ってないわ。いえ、端から助けるつもりなんてない」
「そんなことあるかよ!」
ジェイドが国境に戻ることを提案しようとすると、ティアがきっぱりと言う。その言葉にルークは手を広げて怒鳴るが他の面々は言葉を失い絶句した。
「連絡船を待てばいい、ということは、つまりはそういうことでしょう?攫われた整備士は必要ない、と…兄さんは真咲がマルクトの軍人だと信じているわ。だからさっき、ああ言ったのよ」
ティアの冷静な答えにルークは舌打ちをする。イオンもガイも視線を地面に向けて何も言えないでいた。
「あのぅ、大佐」
「なんです?」
小さく手を上げる、アニスにジェイドは振り返る。
「私も、コーラル城に行ったほうがいいと思うなぁ。海の男は迷信深いから、預言があてにならないなんて、噂が広がったら、海軍の人たち、海に出なくなっちゃうと思うしぃ」
そうしたらバチカルに行けないと言うと、ガイもそれに賛同した。そして、
「俺も調べたいことがあるからついていくわ」
軽く手を上げて言うガイに、やれやれとジェイドは肩を竦める。
「しかたありませんねぇ」
溜息と付きながらジェイドも賛同する。口では仕方ないと、言ったが心のどこかではそれを望んでいた気がした。
「――俺も行く」
全員がルークを見る。ヴァンに戻るように言われたのだからルークだけは国境に戻るとだだをこねると皆思っていたらしく目を見張る。ルークはルークで真咲が心配なのが伺えた。
「ご主人様も行くですの?」
ミュウがその大きな耳を動かしながら、ルークを見上げて言う。
「…ああ、行くよ」
その声はやや不機嫌そうだった。ルーク達はコーラル城に向けて出発をした。