10話 変わりだした物語
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「導師様になんの用ですか?」
「私達はここの整備士です。導師様、『妖獣のアリエッタ』に攫われたのは我らが隊長なのです。お願いです、どうか導師様のお力で隊長をお救い下さい!」
真咲と一緒に攫われた整備隊長の部下らしく、整備士二人はイオンに助けてくれと懇願する。
「隊長は…隊長は、預言を忠実に守っている敬虔なローレライ教の信者です!今年の生誕預言でも、大厄は取り除かれると詠まれたそうです。ですから―――」
「わかりました」
整備士が全てを言い切る前にイオンは答える。
「私も、イオン様の考えに賛同します」
「冷血女が珍しいこと言って――」
ティアがそう言うとルークが呟くように言う。その言葉にティアがルークを睨みつける。
「大厄を取り除かれると預言を受けた者を見殺しにしたら、預言を無視したことになるわ。それではユリア様の教えに反してしまう。それに―――」
教団の人間として、模範的なことを言う、ティア。途中で言葉を止めルークに問われれば、なんでもないと答えた。
「(…真咲を助けに行くべきか、イオン様をバチカルに連れて行くが先か…しかし私の本来の目的はイオン様をバチカルにお連れすること。残念ですが真咲を優先するわけにはいきません)」
一人胸中でそう考えるジェイド。自分の使命を考えれば戦争を回避する為にはイオンが必要不可欠…いくら自分が守ると決めたいえ、今の現状で優先順位を考えたらイオンのほうが上なのだ。