10話 変わりだした物語
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「ところで、コーラル城と言うのは?」
「ファブレ公爵の別荘だよ。前の戦争でこの辺りに戦線が迫ってきて放棄されたんだ。七年前に、誘拐されたルークが発見された場所でもある」
向かうのはいいがと、ジェイドの問いにガイが答えた。その後ろでルークが、そうなのか?と間抜けな声を上げる。
「行けば思い出すかな」
「その必要はない、訓練船の帰港を待ちなさい。アリエッタは私が処理する」
剣を収めたヴァンが言った。その言葉にアニスの後ろにいたイオンが前に出てきた。
「ですが、ヴァン。それではアリエッタの要求を無視したことになります――真咲と整備士の命が…」
「導師、今は戦争の回避するほうが重要なのでは?それに、真咲殿も軍人。なら、それ相応の覚悟はあるはずです」
ヴァンはジェイドのほうに視線を向けながら言う。真咲がジェイドの部下だということを信じているだからだろう。ヴァンのその言葉にイオンは黙って俯く。今度はルークのほうへ振り返り、
「ルーク、イオン様を連れて国境に戻ってくれ。ここは簡単な休息施設しかないのでな。私はアリエッタの討伐に行く」
ヴァンがそう言ったがルークは返事をしなかった。ルークは視線を泳がせている。
「でも、真咲が…」
ルークは真咲が気になるのかヴァンに対しても言葉を濁す。ただ、ヴァンの言葉にも迷っているようだった。とりあえず軍港の出口に向けて歩き出すと、二人の整備士と思われる男性がパーティーの前に立ちはだかった。
「お待ちください、導師イオン!」
いきなり現れた不審な二人に、アニスがイオンを庇うように手を広げて前に出る。