9話 旋律の奏
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「…そう言えば、あなたは?」
私の顔をじっと見つめてくる。目線を外したかったのに、逸らすことが出来なかったつーっと、背に汗が流れるのを感じた。
「真咲」
ジェイドの声にハッとする。急な悪寒に意識が飛んでしまっていたようだ。
「…失礼いたしました。私はマルクト帝国軍第三師団所属、真咲・霧島といいます」
声が震えそうになるのを必死で耐える。にしても、これでいいんだよね?部下ってことにしておくと言っても、なんて言えばいいかまでは言われてないし。
「――そうですか」
まだ私を見つめている。怖い、怖い、怖い――。蛇に睨まれた蛙の如く動くことが出来ない、呼吸もどうやるんだったか分からない。顔に態度にも出さないように、ヴァンを見つめ返す。ヴァンは一度目を閉じて、そのまま去っていった。
「――っ」
ヴァンが去って、扉が閉まったのと同時に私の足から力が抜けた。膝から崩れ落ちそうになった瞬間、ジェイドが腕を掴んでくれたため床に倒れることはなかった。
「真咲!」
イオンとアニスが側に寄ってくる。ジェイドの手を借りて近くのベッドに座る。全身から汗が噴出し、呼吸が荒くなる。
「大丈夫ですか?」
イオンが私の前にしゃがみ込み、顔を覗き込む。私は深呼吸を数回繰り返し息を整える。
「いったい、どうしたの?」
急に倒れた私に驚いたアニスがジェイドを見上げて聞く。ジェイドは私を見下ろして黙る。
「まだ、容態が良くないじゃないのか?」
ガイも近づいてくる。ほへっ?と、疑問符を浮かべるアニスにガイが昨日のフーブラス川であったことを説明する。