9話 旋律の奏
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「私はヴァンを完全に信用したわけではありませんよ…いいですね」
ジェイドの言葉にルークはまだ納得はしていないようだが、文句は言ってこなかった。意見が一致したところで私達はヴァンの待つ宿屋に向かった。まだ私の中で何かが駆け巡っているような、吐き気が押し寄せてきて気持ち悪い。カイツールに着いてから…いや、ヴァンに会ってからだ。まるで何かを警戒しているような気がしてならない。私達はヴァンの話を聞くために軍の宿に足を運び、各々適当な場所につきヴァンの話を聞く。私はジェイドの部下ということになっているので、彼の隣に立つ。
「何故、兄さんは戦争を回避しようとなさるイオン様を邪魔するの?」
まずはティアが話を切り出した。まだ敵意を剥き出しにしているのが分かる。
「ルークから聞かなかったのか?私は教団からはイオン様が行方不明になられたとしか聞いていないのだぞ?」
六神将は自分の部下だけど大詠師派だ、だから命令を出したのはモースだろうと言う。私はヴァンから視線を逸らせて、「嘘吐き」と心の中で呟いた。ガイがマルクト軍からイオンを取り戻すように命令をしたのではと言う。
「じゃあ、兄さんは無関係だというの?」
「部下の動きを把握してしていなかったという点では、そうは言わぬ。だが、私は大詠師派ではない。六神将の長であるために、そう取られがちだがな」
ティアが眉根を寄せて聞けば、ヴァンは苦笑を交えて答えた。今度はヴァンのほうがティアはモースの部下なのに、何故ここにいると聞く。