9話 旋律の奏
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「んん?」
いつもなら、ジェイアニ~、とか喜べるのに何かそんな気にはならなかった。どちらかと言うとなんかムカムカ?もやもや?するような……気のせいかな?
「魔物と戦ってタルタロスから墜落したって?」
「そうなんですぅ。アニス、ちょっと怖かった…エヘヘ♪」
ルークが心配したというと、アニスは頷く。
「そうですよね。アニス、落ちながら『ヤロー、てめー、ぶっ殺す』って悲鳴あげてましたものね」
イオンは胸の前で拳を握りながら楽しそうに言う。天然なイオンだからなのかなぁ…さっきまでの不満な気持ちを忘れて、思わず私の顔は緩んだ。
「イオン様は黙っててください!ちゃんと、親書だけは守ったんですから…ルーク様、誉めて誉めて♪」
「ん、あぁ…偉いな」
イオンとアニスのやり取りを適当に聞き過ごしていたルークは、アニスをやはり適当に誉める。アニス劇場って感じだね。可愛いからいいけどさ。
「ところで、大佐。どうやって検問所を超えますか?私もルークも、真咲も旅券がありません」
このやり取りの中ずっと冷静でいたもとい、傍観していたティアが話を切り出した。超振動で飛ばされたルーク達と異世界から飛ばされた私は当然、旅券なんて持っていない。それより、この後って――
「ここで死ぬやつに、そんなもんいらねぇよ!!」
私達の頭上から声が振ってくると同時に影が出来た。その影はルークに向かって落ちてきた。ルークは自分に向けて振り下ろされた剣を後ろへと転がりながら避ける。アニスはとっさにイオンの前に出て手を広げる。私の傍にはガイとジェイドがいた。先日の行動に用心してだろうけど。『ここ』では何もしないのに。