9話 旋律の奏
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ここで出会うあの人と
何事も変わりなく
進んでいく物語が
私は怖かった
夜明けとともに私は目を覚ました。上半身だけ起き上がると体に怠さは残っていて、昨日はなかった右目の痛みが不快だった。最近は魔術を使っても、右目は痛まなくなったのになんでだろう。目を覚まして数分経つが、視界がちょっとぼやける。昨日は確か…瘴気を吸って倒れたはずだけど、体の中が痛いというよりは何か息苦しかったような。右目が痛いのは瘴気を吸ったからなんてことはないよね?
「真咲」
座り込んだまま目を擦っていると、声を掛けられた。声のほうに振り返ると、声の主はガイだった。昨日の見張りはガイだったんだ。
「おはよう」
座ったままガイを見上げて言うと、ガイは、ああ、おはようと返してくれた。
「もう、大丈夫なのか?」
こちらのほうに寄って来る。私はガイに向いて微笑みながら、大丈夫だよと答える。
「…昨日はごめんなさい。みんなに迷惑かけちゃって」
私は立ち上がり、ガイに向かって頭を深く下げた。身勝手な行動をしてしまった…いくらアリエッタに敵意を感じられなかったからといって敵の側に一人で近づいたのだから。しかも瘴気を吸って倒れちゃったし。ライガクイーンが無事だったことが分かったのは正直嬉しかった。
ただそれでも今の所、物語に大きな変化は見られない…ユリアの預言の恐ろしさを垣間見たようだ。この先、微々たる変化でユリアの預言を覆すことが出来るのだろうか?
私が覆してもいいのだろうか?