8話 変化の片隅に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……まぁ、いいでしょう」
しばしの沈黙のあとジェイドがそう言うとイオンはありがとうございますと言い、ルーク達と一緒にアリエッタとライガを瘴気の当たらない場所へと運ぶ。ジェイドが横目でその様子を窺いながら気を失っている真咲の頬を触れると体温を感じることは出来なかった。
「そろそろ限界だわ」
再び、溢れ始めた瘴気にティアが声を上げた。ジェイドは真咲を抱き上げ、瘴気が噴出しない所まで移動した。
「…ジェイド、真咲は?」
ルークがジェイドの側に寄って来て、真咲の顔を覗き込み眉根を寄せる。真咲の顔色の悪さを見てルークの表情は少し泣きそうな顔になる。
「瘴気を吸ったようです。あまり、芳しくないですが」
その言葉に、ルークは顔を目を見開いてジェイドに顔を向けた。
「だ、大丈夫なのか?死んじまうのか?」
声を上げる。ルークにとって真咲は今の自分を共感してくれる存在なのだ。そんな真咲が瘴気を吸って倒れた…それが心配で仕方ないようだ。
「命に別状はないでしょう。しばらくすれば、目を覚ましますよ」
保障はなかった。だがそうでも言わなければルークは納得しないだろうと、ジェイドは敢えてそう言った。
「ここを離れましょう」
ジェイドはルークに手伝ってもらい腕の中の真咲を背中に背負い直し、フーブラス川を後にした。
「少しよろしいですか?」
フーブラス川からしばらく歩いた後に、ジェイドは皆を引きとめる。
「…んだよ。もうすぐ、カイツールだろ?こんなとこで、何するんだっつーの」
先を歩いていたルークが振り返る。声に多少の怒気がこもっているのは真咲がまだ、意識を取り戻さないからか。