8話 変化の片隅に
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「噂には聞いたことがあります。ユリアが残したと伝えられる七つの譜歌…しかし、あれは暗号が複雑で、詠み取れた者はいなかったと…」
「詮索はあとだ。ここから、逃げ出さないと」
ジェイドが興味あり気にティアを見ながら言うと、ガイが諌める。
「――そうですね」
一度は消していた、槍を再び出しながら呟く。槍を気を失っているアリエッタに向けて構えた。
「……ま、って――ご、ごほっ」
アリエッタに槍を振り下ろそうとしたジェイドの軍服を彼の後ろから掴んだ。咳が止まらなくて苦しいがアリエッタも放っておけない。
「ア、アリ…エッタ、をたす、けて――げほっ、げほっ!」
片手を口元を覆い、もう片方の手はジェイドの軍服を強く握った。この後、ルークのおかげで彼女は助かるのは分かっているが、体は勝手に動く。
「お、ねが…い」
目が霞む。咳き込んだ喉が痛い。意識が飛びそう……だ、だめだ――。
真咲はジェイドの服を掴んだまま、気を失って倒れた。瘴気を吸ったせいか、咳き込んでそのまま……
「真咲は?」
イオンがジェイドと真咲の傍に寄ってくる。ジェイドは槍を消して、真咲の上半身を起こす。顔色は悪く、意識は全く無かった。
「あまりいい状態ではないようです」
ジェイドの言葉にイオンは真咲の前にしゃがみ、悲痛な面持ちを見せる。
「ジェイド…僕からもお願いします。アリエッタを見逃してください。彼女はもともと僕付きの導師守護役だったんですよ」
真っ直ぐとジェイドを見て言うイオン。こればかりは譲る気はないかのように。
―――やれやれ、みなさん甘いですね。
内心でそう思い、はぁーと息をつく。