2話 異端の力
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「…大丈夫」
思うがまま杖を水平に構え、目を瞑る。杖に集中すれば、よく分からない何か力を感じる。この森に居るから殺されるなら、この森から居なくなればいい。
言葉を紡ごう。それが力になる。
何でそう思うのかは分からない。でも―――
「―――時を紡ぐ者どもよ」
不思議と言葉が浮かんでくる。思うが侭に声に出して、詠唱する。すると、隣からも声がする。
「―――狂乱せし地霊の宴よ」
だめ!!それ以上、言葉を続けられたら!!
「我が声を聞き 我が声に答えよ 我が前に立ちはだかりし獣を 他の地に運ばん」
薄く、目を開く。私の周りには青い光が舞っていた。ハッキリとは形が見えないが何となく魔法陣のようだった。思うが侭に口は言葉を紡ぎ、右手で杖を振るう。杖の先端でその光に触れれば、今度はハッキリと魔法陣のような形が現れる。
―――大丈夫。
何の確証はないけど、きっと大丈夫。不思議とそんな気がした。
「我が名に於いて命じる 我が名は”真咲” 千里の力を持つ者なり!!」
術は完成した。手の動くまま、無数に舞う光に杖に触れさせる。