1話 世界の始まりと出会い
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出会い…
それは、きっと必然だったのだ
あなたとの出会いで
私は変れたんだ
目を覚ました場所は森だった。それはもう見渡す限るどこを見ても盛だった。少し痛む体の上半身だけを起こして、辺りを見回す。
「確かに事故ったのに…」
目の前の景色が信じられなかった。乗っていた電車が事故を起こして、高架下に落下したはず。なのに見知った街の風景も乗っていたはずの電車は無く、代わりに見たことも無い森が広がっていた。
「何で森?ここ何処?」
とりあえず、立ち上がり辺りを見回す。大して汚れていたわけではないが、何となく履いていたデニムを軽く叩く。
「見渡す限り森……まさか、トリップってやつ!?」
にわかに信じがたいが確かにここは森だ。電車内にいたはずが、いきなり森の中に瞬間移動をしたのならばそれが真実。それに…意識が無くなる前に何か声が聞こえたような…私がオタクじゃなかったら分からんかったかも。きょろきょろと辺りを見回すと、近くの茂みがガサガサと揺れている。何か嫌な予感がしますよ。ゆっくりと音のする方に首を向ける。茂みの中から狼のような生き物が出てきた。
「ま、魔物!?」
私より倍以上大きい身体に見るからに敵意丸出しに見える鋭そうな牙。今にも襲いかかってきそうなつり上がった目。
「―――っ!!」
思わず目を向けたままでいたら目が合ってしまった。その瞬間、『殺される』と思った。人間、本当に怖いときは声が出ないと言うのを目の当たりにする。どうしたらいい?足の遅い私が走って逃げたって、すぐに追いつかれて殺されるだけ。そんなことを思っていた刹那…魔物は私に向かって走り出した。もうダメだと思い、反射的にしゃがみ込み、腕を自分の頭を守るように上げた。
ああ、死んだな。意外と短い人生だったと思った。遣り残したこともたくさんある。親より先に死んでしまう親不孝者とかゲーム借りっぱなしに友達とか、そして彼にはただゴメンナサイとか。いろいろ、走馬灯のように頭を過ぎる。魔物はもう目の前まで、来ている。もうダメだと思い切り目を瞑る。そのとき―――