Mistletoe
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無神論者・kwmr
11月後半、街中は煌びやかな光に包まれる
仕事の帰り道、その光を一人で見つめながら家路に就くのが日常になってきた頃
拓哉と二人でテレビを見ているとクリスマス特集
小説を読んでいる拓哉が話しそうな気配がしたので拓哉の方を向くと
河「沙南はクリスマス何かしたいとか考えてる?」
『ん~、考えてないかな。拓哉はなんか考えてる?』
河「俺はなんも考えてないかな」
小説に目を戻しながら静かに答える
『なんで?』
河「俺無神論者なんで、葬式だけ浄土真宗だけどね」
拓哉の顔を見ると少し得意げな顔をしている
『うまいこと言ったと思ってる?』
河「べつに」
『私も無神論者だしお葬式は浄土宗だよ』
河「キリスト教じゃないしクリスマスは何もしないな」
世間の女の子はクリスマスに彼氏に何もしてくれなかったら拗ねるであろうが幸い私はクリスマスにわざわざ何か行事をすることにこだわりはない
隣で小説を読む拓哉を横目で見ると少しだけ伸びた髪がふわふわしててかわいい
――――――
12月25日、恋人がいる人たちはかわいらしい紙袋を持っていたりいつもよりかわいい服を着ていたり社内が浮き足だって感じる
定時付近になるとそわそわしだす人達
いつもなら”ちゃんとして”って思ったりするところだが今日は微笑ましく見守る
“お疲れさまでした~”の声とともに定時で消える面々に挨拶をしながら終わらせたい仕事に集中していると
山「佐々木さんは恋人いなかったですか?」
『そういう山田さんは?』
山「残念ながら独り身ですよ」
課長から突然声を掛けられる
『そうですか、皆さん幸せそうでいいですね』
山「佐々木さんが恋人いらっしゃらないとは思いませんでした」
いないなんて一言も言ってないんだけどな、
という言葉を飲み込んで静かに仕事を進める
山「今夜空いていますか」
『一応空いてはいます』
山「ご飯とか、いかがですか」
思考と同時にタイピングしていた手が止まる
山「あの、傷のなめあいでも、」
課長のほうに目を向けると照れくさそうに後頭部をかいている
31歳にしては爽やかで若く見えると女子社員の間で人気の課長
折角の誘いを断るのも惜しい気がする
『仕事が終われば、』
山「よし、頑張ろうか」
『はい、』
軽く伸びをした課長からパソコンに目を戻す
――――――
仕事が一段落して時計を見ると20時半
山「思ったより遅くなっちゃいましたね」
『そう、ですね』
山「もう少しかかりそうですか」
『もう終わりましたね』
山「てことは」
『すみません、今日は帰ります』
パソコンをカバンにしまい立ち上がる
『お疲れさまでした、お先失礼します』
山「お疲れ様、ご飯は、また」
『機会があれば』
申し訳程度の営業スマイルはできたであろう
部長の寂しそうな目が脳裏から離れない、けど
今どうしようもなく拓哉に会いたい
――――――
家の前につき鍵穴に鍵を刺す
河「沙南、お帰り」
『ただいま、拓哉』
玄関で拓哉にいきなり抱き着く
勢いがあって拓哉を倒してしまうかと思ったがしっかり抱きとめてくれる
『拓哉』
河「ん?」
『今日ね、すごい拓哉に会いたかったの』
河「どうして?」
『わかんない』
恐らくそれは自分の恋人とクリスマスを過ごすために浮足立っている人々を見て
そして極めつけは課長からのわかりやすい“好意”
河「なにかあった?」
『ただ、拓哉に会いたかっただけなの』
河「そっか」
私の頭を優しく撫でてくれる拓哉
河「寒いでしょ?」
『うん』
河「今日はお鍋だよ」
『ありがとう』
拓哉とあったかい鍋を二人でつつく時間
その時間だけでさっきまでのどうしようもない淋しさなんて忘れていた
河「ねぇ、沙南」
『ん?』
河「これ、あげる」
拓哉が机の上に置いたのは4℃のネックレス
『、、、は?』
河「はってのは、そんな言い方」
『ごめん驚きすぎた』
河「沙南に似合いそうだな、とおもって
華奢なデザインだから仕事中も使えるだろうし」
ゆっくり箱を開けるとオープンハートの中心にきれいなストーンが光るデザイン
『私のために選んでくれたの?』
河「うん」
『無神論者じゃないの?』
河「それは」
拓哉がゆっくりと机の上に小説を置く
拓哉がこの前読んでいた小説、きっとこれは拓哉のお気に入り
『これ』
河「沙南が喜んでくれるならクリスマスだけでもキリスト教徒になりますよ」
拓哉が私の手を握りながら静かにほほ笑む
『私も、今日だけはキリスト教徒です』
そこまで言ったところで思わず吹き出してしまう
河「どうして笑うの」
『だって、こんな愛の伝え方なんて聞いたことない』
河「そうかな?
でも、相手のために宗教を変えれるってかなりその人のこと好きじゃないとできなくない?俺はすてきだと思うな」
確かに、と頷く
河「だから今日だけキリスト教徒」
拓哉の言うことは時々本当にわからない
ただ、私のことを”愛してる”と伝えたいことは痛いほどわかるから
『拓哉、愛してる』
どちらともなく引き寄せられ優しく唇を合わせた
ーーーーーー
11月後半、街中は煌びやかな光に包まれる
仕事の帰り道、その光を一人で見つめながら家路に就くのが日常になってきた頃
拓哉と二人でテレビを見ているとクリスマス特集
小説を読んでいる拓哉が話しそうな気配がしたので拓哉の方を向くと
河「沙南はクリスマス何かしたいとか考えてる?」
『ん~、考えてないかな。拓哉はなんか考えてる?』
河「俺はなんも考えてないかな」
小説に目を戻しながら静かに答える
『なんで?』
河「俺無神論者なんで、葬式だけ浄土真宗だけどね」
拓哉の顔を見ると少し得意げな顔をしている
『うまいこと言ったと思ってる?』
河「べつに」
『私も無神論者だしお葬式は浄土宗だよ』
河「キリスト教じゃないしクリスマスは何もしないな」
世間の女の子はクリスマスに彼氏に何もしてくれなかったら拗ねるであろうが幸い私はクリスマスにわざわざ何か行事をすることにこだわりはない
隣で小説を読む拓哉を横目で見ると少しだけ伸びた髪がふわふわしててかわいい
――――――
12月25日、恋人がいる人たちはかわいらしい紙袋を持っていたりいつもよりかわいい服を着ていたり社内が浮き足だって感じる
定時付近になるとそわそわしだす人達
いつもなら”ちゃんとして”って思ったりするところだが今日は微笑ましく見守る
“お疲れさまでした~”の声とともに定時で消える面々に挨拶をしながら終わらせたい仕事に集中していると
山「佐々木さんは恋人いなかったですか?」
『そういう山田さんは?』
山「残念ながら独り身ですよ」
課長から突然声を掛けられる
『そうですか、皆さん幸せそうでいいですね』
山「佐々木さんが恋人いらっしゃらないとは思いませんでした」
いないなんて一言も言ってないんだけどな、
という言葉を飲み込んで静かに仕事を進める
山「今夜空いていますか」
『一応空いてはいます』
山「ご飯とか、いかがですか」
思考と同時にタイピングしていた手が止まる
山「あの、傷のなめあいでも、」
課長のほうに目を向けると照れくさそうに後頭部をかいている
31歳にしては爽やかで若く見えると女子社員の間で人気の課長
折角の誘いを断るのも惜しい気がする
『仕事が終われば、』
山「よし、頑張ろうか」
『はい、』
軽く伸びをした課長からパソコンに目を戻す
――――――
仕事が一段落して時計を見ると20時半
山「思ったより遅くなっちゃいましたね」
『そう、ですね』
山「もう少しかかりそうですか」
『もう終わりましたね』
山「てことは」
『すみません、今日は帰ります』
パソコンをカバンにしまい立ち上がる
『お疲れさまでした、お先失礼します』
山「お疲れ様、ご飯は、また」
『機会があれば』
申し訳程度の営業スマイルはできたであろう
部長の寂しそうな目が脳裏から離れない、けど
今どうしようもなく拓哉に会いたい
――――――
家の前につき鍵穴に鍵を刺す
河「沙南、お帰り」
『ただいま、拓哉』
玄関で拓哉にいきなり抱き着く
勢いがあって拓哉を倒してしまうかと思ったがしっかり抱きとめてくれる
『拓哉』
河「ん?」
『今日ね、すごい拓哉に会いたかったの』
河「どうして?」
『わかんない』
恐らくそれは自分の恋人とクリスマスを過ごすために浮足立っている人々を見て
そして極めつけは課長からのわかりやすい“好意”
河「なにかあった?」
『ただ、拓哉に会いたかっただけなの』
河「そっか」
私の頭を優しく撫でてくれる拓哉
河「寒いでしょ?」
『うん』
河「今日はお鍋だよ」
『ありがとう』
拓哉とあったかい鍋を二人でつつく時間
その時間だけでさっきまでのどうしようもない淋しさなんて忘れていた
河「ねぇ、沙南」
『ん?』
河「これ、あげる」
拓哉が机の上に置いたのは4℃のネックレス
『、、、は?』
河「はってのは、そんな言い方」
『ごめん驚きすぎた』
河「沙南に似合いそうだな、とおもって
華奢なデザインだから仕事中も使えるだろうし」
ゆっくり箱を開けるとオープンハートの中心にきれいなストーンが光るデザイン
『私のために選んでくれたの?』
河「うん」
『無神論者じゃないの?』
河「それは」
拓哉がゆっくりと机の上に小説を置く
拓哉がこの前読んでいた小説、きっとこれは拓哉のお気に入り
『これ』
河「沙南が喜んでくれるならクリスマスだけでもキリスト教徒になりますよ」
拓哉が私の手を握りながら静かにほほ笑む
『私も、今日だけはキリスト教徒です』
そこまで言ったところで思わず吹き出してしまう
河「どうして笑うの」
『だって、こんな愛の伝え方なんて聞いたことない』
河「そうかな?
でも、相手のために宗教を変えれるってかなりその人のこと好きじゃないとできなくない?俺はすてきだと思うな」
確かに、と頷く
河「だから今日だけキリスト教徒」
拓哉の言うことは時々本当にわからない
ただ、私のことを”愛してる”と伝えたいことは痛いほどわかるから
『拓哉、愛してる』
どちらともなく引き寄せられ優しく唇を合わせた
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