動揺


最近沙南はバイト以外毎日オフィスに来て何かしら作業をしてるしみんなとも普通に話してる
お兄さん的にはほとんど来なくなる前の雰囲気に戻ったと思うが気になる所がいくつか

いきなり声をかけると少し大げさに反応するし時々上を向いたまま自分の世界に入る頻度も増えたし時々不安そうな顔をしていたりする
不安になるとよく横に座っていたが最近それもなくなったとは言わないが見るからに減っている


全て、全て俺の気のせいだと思いたかった

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作業が一段落し伸びをしてオフィスを1周見るとソファで三角座りをして寝てしまっている沙南
何度かしか見た事ない寝顔が気になるのと三角座りじゃ苦しいだろうから寝かせてやろうと思い近づくと


須｢え、｣
伊｢何？須貝さんどうしたの？｣
須｢いや、なんでもない｣


沙南の目からポロポロと涙がこぼれ落ちてきてゆっくりゆっくり頬を濡らしていく
思わず取り繕うが伊沢はこちらを向いてしまっていて


伊｢え、沙南ちゃん泣いてる？｣
須｢よな、怖い夢でも見てるのかな｣
伊｢かな、てか震えてるし｣
川｢オフィスでうたた寝なんて珍しいのに、余計に珍しい｣


たまらなくなり横に座り体重を預けさせて頭を優しく撫でると(名前)の目がパチッと開き数秒後


『いやっ、』
須｢.......え｣


強ばった顔と俺を引き離そうと押した手
直ぐにはっとした顔をして下を向いて


『すみません、ほんとに、すみません、須貝さんだってわかってるんですけど』
須｢いや、大丈夫だよ｣
『すみません、ほんとに』
須｢怖い夢でも見てたんだろ？大丈夫だよ｣


自分にも言い聞かせるように大丈夫だということを伝えようとするが顔色がよくないし手も震えてて


伊｢沙南ちゃん、向こうの部屋で少し落ち着いてきな？ココア持っていくから｣
『すみません、ありがとうございます』


ゆっくりと立ち伊沢と二人で部屋から出て横の部屋に入ったらしき音


川｢須貝さん何したんすか｣
須｢なんもしてねーよ、多分｣
川｢多分って、沙南があんな怯えることないですよ｣
須｢確かにな、俺なんかしたのかな｣


本当に心当たりがない、強いて言うならオフィスおいでっていうメールがしつこかったか？
でも久しぶりに会った日普通に話したし


須｢わかんねぇ、ほんとに｣

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