川上さん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
痛みと甘み
『お願い!!開けて!』
横で騒ぐ彼女を煩わしいと思って時計を見るのは何回目か、きっと十数分しか経ってないしこの言葉を返すのもまだ数えられるくらい
「だーめ」
『なんで~?』
一度溜息をつき彼女に向き直す
「そもそも沙南は耳たぶ厚いからホール安定するまで時間かかるし肌弱いからちゃんとケアしないとめっちゃ膿むからめんどくさいよ」
『でも、、でも~』
事の発端は地元の友達が上京してきた時に沙南へのお土産だと言って俺とお揃いのシングルピアスを買ってきたことだ
彼は沙南がピアスを開けていると思っていたらしい
『拓朗とお揃いのピアスつけたいの~お願い!
ちゃんと軟膏塗るし安定するまでファーストピアスで我慢するから!お願い!』
「軟膏なんて沙南塗らないじゃん」
『塗る!拓朗に言われんでもちゃんと塗るから!』
かわいい彼女の上目遣いに"だめ"の返事を突き返すのも心が無傷なわけじゃない
「わかった、ええよ、でも病院でな」
『え、拓朗開けてくれないの?』
「俺が開けるの?」
『最初っから”開けて”って言ってんじゃん~お願い!』
「そんな人のピアスなんて開けたことないよ」
『自分のは自分で開けたって言ってた』
拗ねた声の彼女はピアッサーを俺の前に置いてにこにこしている
「そんな怖いこと俺できない」
『好きな人にピアス開けてもらうの夢だったの!』
「、、メンヘラ?」
『ちーがーう!』
正座したまま両手で床を叩く彼女はいつもより精神年齢が10歳近く幼いと思う、
「何歳?」
『なんとこれが21歳』
「絶対ケアちゃんとする?」
『する』
「ファーストピアス外さない?」
『外さない!』
「痛いの我慢できる?」
『我慢できる!!』
「よし、保冷剤持ってきな」
『やったーー!!』
彼女が両手を上げて喜んで冷蔵庫の所まで駆けていく
「開けるよ、場所大丈夫?」
『うん、そこがいい、もう開ける?』
「箱から出したら開けるよ」
『そっか、そっか、』
手を組んだり離してスリスリしたりを繰り返すし唇を嚙む姿は明らかに
「そんな、緊張する?」
『別に、緊張してないし』
「おっけ、開けるよ」
耳に触れると沙南が小刻みに震えていることがわかる
『一気に、一気にね』
ピアッサーを押す一瞬前、俺の腕に縋りついてきて来たのがかわいくて仕方なかった
『開いた!拓朗とお揃いのつけれる~』
そう飛び上がる彼女の笑顔は最近で一番輝いていた
ーーーーーー
『今日もちゃんと軟膏塗りました~!見て!調子よくない?』
耳たぶを伸ばしながが見せつけてくる
「続けてね、ちゃんと」
『必ず!』
にこやかに敬礼をするこいつは三日坊主で有名、
家計簿をつけると言って4日目からは白紙だったし寝る前に読書をすると言ったのに3日後はゲームをしていた、朝のランニングに関しては1日でやめた
「継続は力なり、だからね」
『わかってるって、もう!』
『拓朗~いーたーい!見て!血出てる?』
「ん?何が?」
『ピアス!』
彼女が見せる耳元は少し膨れて赤くなってしまっている
「膿んでも軟膏塗らなかったでしょ、だから」
『だって、だって~!』
「めんどくさかったんでしょ」
『ごめん~でも痛くてピアス抜けない!』
「かし」
棚から軟膏を取り出して横に座る
『なるだけ痛くしないで~』
「無理な話するじゃん」
『お願い~って痛い』
出来るだけゆっくり引き抜くとぷつっと血が膨らむ
「だからちゃんとしろって言ったやん」
『拓朗ごめん~』
「はいはい」
医者じゃないから詳しいことはわからないけこんだけ経って膿むということは金属アレルギー説
そんなことを考えながら軟膏を塗り終えると”もうピアス塞ぐ”と言いながら痛そうにファーストピアスを通す、折角綺麗に安定していたのに赤くなってしまっている、綺麗に戻るといいななんて思いながらカレンダーを見る
「あっ、」
『どうしたの?』
「、、んーん、なんでもない」
来月で付き合って1年半、記念日と言ってプレゼントを贈り合う習慣はないけど、
口実に使うにはもってこいの機会
携帯を取りテキトーにクイズで勉強したジュエリーブランドを検索欄に打ち込む
喜んでくれたらいいな、と目の裏に笑顔を映す
”シングルピアス ペア”
ーーーーーー
『お願い!!開けて!』
横で騒ぐ彼女を煩わしいと思って時計を見るのは何回目か、きっと十数分しか経ってないしこの言葉を返すのもまだ数えられるくらい
「だーめ」
『なんで~?』
一度溜息をつき彼女に向き直す
「そもそも沙南は耳たぶ厚いからホール安定するまで時間かかるし肌弱いからちゃんとケアしないとめっちゃ膿むからめんどくさいよ」
『でも、、でも~』
事の発端は地元の友達が上京してきた時に沙南へのお土産だと言って俺とお揃いのシングルピアスを買ってきたことだ
彼は沙南がピアスを開けていると思っていたらしい
『拓朗とお揃いのピアスつけたいの~お願い!
ちゃんと軟膏塗るし安定するまでファーストピアスで我慢するから!お願い!』
「軟膏なんて沙南塗らないじゃん」
『塗る!拓朗に言われんでもちゃんと塗るから!』
かわいい彼女の上目遣いに"だめ"の返事を突き返すのも心が無傷なわけじゃない
「わかった、ええよ、でも病院でな」
『え、拓朗開けてくれないの?』
「俺が開けるの?」
『最初っから”開けて”って言ってんじゃん~お願い!』
「そんな人のピアスなんて開けたことないよ」
『自分のは自分で開けたって言ってた』
拗ねた声の彼女はピアッサーを俺の前に置いてにこにこしている
「そんな怖いこと俺できない」
『好きな人にピアス開けてもらうの夢だったの!』
「、、メンヘラ?」
『ちーがーう!』
正座したまま両手で床を叩く彼女はいつもより精神年齢が10歳近く幼いと思う、
「何歳?」
『なんとこれが21歳』
「絶対ケアちゃんとする?」
『する』
「ファーストピアス外さない?」
『外さない!』
「痛いの我慢できる?」
『我慢できる!!』
「よし、保冷剤持ってきな」
『やったーー!!』
彼女が両手を上げて喜んで冷蔵庫の所まで駆けていく
「開けるよ、場所大丈夫?」
『うん、そこがいい、もう開ける?』
「箱から出したら開けるよ」
『そっか、そっか、』
手を組んだり離してスリスリしたりを繰り返すし唇を嚙む姿は明らかに
「そんな、緊張する?」
『別に、緊張してないし』
「おっけ、開けるよ」
耳に触れると沙南が小刻みに震えていることがわかる
『一気に、一気にね』
ピアッサーを押す一瞬前、俺の腕に縋りついてきて来たのがかわいくて仕方なかった
『開いた!拓朗とお揃いのつけれる~』
そう飛び上がる彼女の笑顔は最近で一番輝いていた
ーーーーーー
『今日もちゃんと軟膏塗りました~!見て!調子よくない?』
耳たぶを伸ばしながが見せつけてくる
「続けてね、ちゃんと」
『必ず!』
にこやかに敬礼をするこいつは三日坊主で有名、
家計簿をつけると言って4日目からは白紙だったし寝る前に読書をすると言ったのに3日後はゲームをしていた、朝のランニングに関しては1日でやめた
「継続は力なり、だからね」
『わかってるって、もう!』
『拓朗~いーたーい!見て!血出てる?』
「ん?何が?」
『ピアス!』
彼女が見せる耳元は少し膨れて赤くなってしまっている
「膿んでも軟膏塗らなかったでしょ、だから」
『だって、だって~!』
「めんどくさかったんでしょ」
『ごめん~でも痛くてピアス抜けない!』
「かし」
棚から軟膏を取り出して横に座る
『なるだけ痛くしないで~』
「無理な話するじゃん」
『お願い~って痛い』
出来るだけゆっくり引き抜くとぷつっと血が膨らむ
「だからちゃんとしろって言ったやん」
『拓朗ごめん~』
「はいはい」
医者じゃないから詳しいことはわからないけこんだけ経って膿むということは金属アレルギー説
そんなことを考えながら軟膏を塗り終えると”もうピアス塞ぐ”と言いながら痛そうにファーストピアスを通す、折角綺麗に安定していたのに赤くなってしまっている、綺麗に戻るといいななんて思いながらカレンダーを見る
「あっ、」
『どうしたの?』
「、、んーん、なんでもない」
来月で付き合って1年半、記念日と言ってプレゼントを贈り合う習慣はないけど、
口実に使うにはもってこいの機会
携帯を取りテキトーにクイズで勉強したジュエリーブランドを検索欄に打ち込む
喜んでくれたらいいな、と目の裏に笑顔を映す
”シングルピアス ペア”
ーーーーーー