第二節・第二部『猫耳の惨劇!!最悪最恐にぱー☆再び』
零「クルル〜、寝ちゃったのです?」
猫耳をぴこりと動かし、零ちゃまが不満げに頬を膨らませる。その、全宇宙を粉砕しかねない可愛さの至近距離射撃。鼻血を豪快に噴き出したまま硬直していたクルルは「あ………あぁ………俺様……今すぐ、死ねるぜぇ…ッ!!」と、眼鏡を曇らせて白目を剥いた。
零「むぅ……シルバ!お腹空いたのです! あーん、して欲しいのです」
「……ッ!!拝命いたしましたぁぁぁッ!!」
突入してきたばかりの銀の執事シルバが、重力を無視した速度でその場に膝を突く。懐から取り出した最高級の「銀の匙」には極上のサツマイモスイーツが鎮座していた。
「……さぁ、マスター!いえ、零お嬢様!私の魂ごと、余すところなく召し上がってくださいッ!!」
零「あーん……ん……シルバ、美味しいのです!……よしよし、なのですよ〜」
零ちゃまが、恭しく首を垂れるシルバの銀髪を「よしよし」となでなでする。シルバは「あぁ……至福………全宇宙が、今……私のためにある…」と、恍惚の表情で武者震いを漏らした。
「……れ、零ッ!!私も、私も貴殿に……あーんを……ッ!!」
負けじとガルル中尉が、ケロン軍特製の「ハッピー・ゼリー」を、狙撃の時よりも震える手で差し出す。
零「ゼリーです? ……あーん……ぷはっ!甘いのです!幸せなのですよ!にぱー☆」
魔王城(ガンダム邸)の地下ラボは、もはや戦略拠点ではなく、幼児化した「女帝を愛でる聖域」と化していた。
だが、最強の男たちが完全に骨抜きになったその瞬間。零ちゃまの黒銀の瞳が、ふっと冷たく、怜悧な深淵を覗かせた。
零「クスクス……みんな、俺のことがそんなに好きなのですか?」
梨花ちゃまの可憐な喋り方のまま放たれたのは、「魔王」としての絶対的優越。
零「なら、俺に一生、飼い殺される覚悟はできているのです?……俺を独占したいだなんて、傲慢なのですよ。身の程をわきまえるのです」
猫耳を揺らし、蔑むような、それでいて慈しむような残酷な微笑。
零「……お前らは、俺がいないと何もできない。……ただのおもちゃ、なのですよ!死ぬまで俺に溺れているべきなのです。にぱー☆」
「「「……!!(歓喜の絶望)」」」
クルルは鼻血の海に沈みながら悶絶し、ガルルはあまりの「ハッピー」に感涙し、シルバは「……あぁ……仰せのままに……!!」と床に額を擦り付けた。
愛されている喜びと、支配されている悦び。
零ちゃまの「毒」は、雛見沢の病よりも深く、彼らの魂の根幹を、もはや修復不能なまでに侵食していった。
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