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第二節・第一部『勝者の余裕!?最強攻め様、爆誕!!』



「死ねェッ!!貴様、マスターの聖域を汚した罪、万死を以て――ッ!!」
「……不浄ッ!!排除だ、クルル曹長オオオッ!!」
「師に手を出すなど、言語道断だぞ! クルル!!!」

リビングでは、シルバの銀糸、中尉の精密狙撃、そして至近距離爆撃用重火器を構えた伍長の怒号が響き渡っていた。
だが、三人が必死に追い詰めているのは、曹長が自身のプログラムと『智慧之王』の権能――『分身体』を組み合わせた精巧なダミーであった。
そう、曹長は気づかぬうちに、精神共振シンクロの「後遺症ギフト」として、智慧之王への限定的なアクセス権を得ていたのだ。そして、あろうことか智慧之王はこの事実を黙認。シルバの検知を欺き、マスターである零にさえ沈黙を守るという、不可解な「共犯」を演じていた。





「……ク〜クックック。アホだねェ、あいつら。本物はこっちだってのによォ」



地下へと続く隠し階段。零は本物のクルルに腕を引かれ、薄暗いラボへと連れ込まれていた。




零「お、おい、曹長!どうなってんだ!?あいつら誰を追いかけて……」
「構うなよ……。あいつらは俺様が仕掛けたタチの悪い『無限ループ・廊下』で……一生偽物の俺を追いかけてればいいんだよ」


クルルは零をラボの最奥、自分専用の回転椅子へと押し込んだ。
周囲を囲む無数のモニターが、零を映し出す。昨夜の「あーん」の瞬間、無防備な寝顔、そして耳まで赤らめた表情――。




零「はぁ!!なんだ、これぇぇぇ!!?」
「ククッ……!!さぁ、零。ほとぼりが冷めるまで、ここで俺様と二人っきりで……過ごそうぜェ?」



クルルが零の耳元に顔を寄せ、あの甘い、ハチミツのような吐息を吹きかける。
零の心臓が、再び耳の奥で激しく打ち鳴らされた、その時だった。





――バギャアアアァァンッ!!







「……あんたたち………………朝っぱらから……何やってんのよぉぉぉぉッ!!」


ラボの頑強な防壁が、掃除機を構えた夏美の一撃(物理)によって粉砕された。
そこには、無限ループから解き放たれ、ボロボロになったシルバ、ガルル、ギロロを引き連れた「怒れるペコポン女戦士・日向夏美」が立っていた。





「チッ……なんで、ここに来れるんだよ……」
「曹長、姉ちゃんを怒らせると本当に怖いんだよ……」



後ろで冬樹がブルブルと震えている。夏美は椅子の上でクルルに詰め寄られていた零を一瞥すると、鋭い眼光をクルルに向けた。





「ちょっとクルル!風邪ひいてる子を勝手に連れ出すんじゃないわよ!!安静にさせてなさい!」
零「え?……あ、夏美ちゃん……これは……違……」
「問答無用ッ!!零さんは今日一日、日向家で安静にしてもらうわ!クルル、あんたはラボで大人しくしてなさい!全く、零さんに変なウイルスうつしたんじゃないでしょうね!?……ほら、零さん以外、全員廊下に並びなさいッ!!」
「「「………………(絶望の正座)」」」



天才の完璧な拉致監禁計画は、ペコポン最強の「お姉様」の鉄拳制裁の前に、無残にも散っていった。
零は夏美に守られながら、背後で正座させられている「最強の男たち」を憐れみの目で見送りつつ、再び日向家へと連行されていくのであった。






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