第一節・第十部『女帝争奪戦!遂に覚醒!?進化する天才策略家』
「ク〜クックック!ほら、零。そんなにフリルが嫌なら、俺様が選んだこの『私服』に着替えろよォ…これなら街を歩いても目立たねぇぜ?」
クルルがニヤニヤしながら差し出したのは、タイトな黒のミニスカートに、大胆な肩出しのオフショルニット。そして、足元は完璧な絶対領域を構築するニーハイブーツ。
「男装」から「フリル」そして今度は「今風の美少女(JDスタイル)」へ。
零「……お前、俺をなんだと思ってんだよ!こんな格好、落ち着かねぇよッ!!」
零が絶叫するが、クルルの指はスマホの『にぱー☆動画』の再生ボタンに掛かっている。
「…あー……なんかボタン、押しちまいそうだなァ……」
零「……ッ、分かったよ! 着ればいいんだろ、着ればぁッ!!」
数時間後、秋葉原・電気街。
零「……おい。なんで、俺らの後ろに、あんなに怪しい連中が連なってるんだよ……」
最新の女子大生風ファッションに身を包んだ零は、隣で勝ち誇ったように鼻歌を歌うクルルの横で、顔を真っ赤にして歩いていた。ショートウルフの髪にオフショルの白さが映え、街ゆくオタクたちの視線を釘付けにしている。
そして、そんな二人の背後、数メートルの距離には――。
「……マスターが露出の多い可愛い服装を!不逞な輩がマスターの肌を0.1秒でも直視したら、その瞬間に分子分解して差し上げます……ッ!!」
銀のサングラスで変装(のつもり)をし、隠しきれない殺気のオーラを噴出させる執事・シルバ。
「……ハッピー。……あのブーツの食い込み。……あぁ、秋葉原の聖地巡礼とは、これほどまでに過酷な戦場だったのか……」
巨大な新聞紙で顔を隠し、ポタポタと鼻血を垂らしながら尾行するガルル中尉。
「兄貴ッ!隠れ方が甘いぞ!……師よ、すまん。兄を止めるには、俺も付いていくしかないんだ……!!」
電柱の影から、軍事訓練さながらの匍匐前進で進むギロロ伍長。
「零殿、我輩を置いてクルル曹長とデートなんて…………あ! あのアニメショップの限定品、我輩が先に買うでありますぅぅッ!!」
「みかん箱」の段ボールを被って、高速でスライド移動するケロロ軍曹。
零「もうこれ、デートじゃなくて大名行列だろッ!!」
零のツッコミが、秋葉原の喧騒の中に虚しく響く。
「クク……気にすんなよ、零。ほら、あそこのフィギュアショップでも覗こうぜェ?」
クルルは、零の震える手を「強引に」握りしめた。
その瞬間、背後のストーカー軍団から「……ギギギッ」という歯ぎしりの音が、アスファルトを砕くような怨嗟の音が響き渡った。
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