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第一節・第十部『女帝争奪戦!遂に覚醒!?進化する天才策略家』



「マスター。先程のクルル曹長への不潔な『膝枕』!万死に値します!その記憶を、私のこの『なでなで』で上書きしなさいッ!!」


自室に逃げ込んだ零を追い詰め、シルバがハッキングで解錠。逃げ場のない壁際で、銀髪の執事による至近距離の「壁ドン」が炸裂する。




零「…っ、シルバ!近いってば!お前、自粛はどうしたんだよ……ッ!!」
「自粛?そんなものは、マスターの浮気(誤認)を前に霧散しました。さぁ、頭をこちらに……」
「待てぇッ!! 貴様、職権乱用だぞッ!!」
「零殿の純潔(?)は我輩たちが守るでありますッ!!」


扉を蹴破り、近衛ギロロと軍曹が突入。
シルバの銀の腕を左右から掴み、引き剥がす。


だが間髪入れず、今度は紫の影が零の前に跪いた。




「――零……一人の軍人として言わせてもらう。あの『寝顔』そして『にぱー』……私は、一生のハッピーを使い果たしても構わん。貴殿を、我が故郷へ妻として……」

ガルル中尉が、ガチの「ケロン星・婚姻届」を零の鼻先に突きつける。



零「はぁ!?中尉。お前まで何を――」
「おのれ、兄貴ッ!!抜け駆けは許さんぞッ!!」

ギロロが実の兄にタックルをかまし、ガルルとギロロ、そして軍曹とシルバを巻き込んだ、リビングでの「四つ巴の乱闘」が勃発した。
その喧騒を、リビングの隅にある「オタク部屋」から冷めた目で眺めている男がいた。





「……ク〜クックック。アホだねェ、あいつら。無理矢理の力技で押せば、零が逃げるのは計算済みだってのによォ……」

クルルは、静かに自身の端末を操作していた。



『――実行。魔王城の全出入口を完全ロック。シルバの通信回線に「不屈の旋律アンパンマン」のノイズを混入。ガルルによる魔王城のシステムを一時停止。ギロロのテントの火災報知器を作動』
「……よし。邪魔者は、全員ビジー状態だぜェ!ク〜クックックッ!!!」


そう、彼は唯一、魔王と精神共振シンクロした男。あれからというもの、彼は独り、究極能力の一歩手前まで演算精度を高めていたのだ。
そんな事を知らない零は、騒ぎから逃れようと地下のラボへ降りてくる。そこには、既に一人で待機し、最高のアニメ視聴環境と、零が好むスナック菓子を用意したクルルがいた。




零「あ?……曹長は、あっちの喧嘩に混ざらなくていいのかよ?」
「クク……あんな筋肉バカたちと一緒にすんなよ。……ほら、零。……さっきの続きだ、あんたが俺様を枕にしたこと。帳消しにしてほしけりゃァ…………明日、俺とデートに行けよ」

クルルは、零のスカートのフリルを指先で弄りながら、逃げられないほど甘く、そして陰湿な声を耳元に落とした。




「……あ、断る権利はねぇぜェ?断ったら、あの『零ちゃま動画』ケロン軍本部どころか全宇宙に同時ライブ配信してやるからなァ?」
零「………お前……マジで……最低のバカだな…ッ!!」


零の雰囲気が絶望へと変わっていく。
天才参謀の計算通り。
魔王・鷹柴零、人生初の「脅迫デート」が成立した瞬間であった。



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