第一節・第九部『銀のやらかし!?独占欲の暴走の果てに』
「……お、乙女?……女……あぁ、そうか……ならば、私の『
シルバの爆弾発言を聞いた瞬間、ガルル中尉の瞳から、それまでの困惑という名の「濁り」が消え失せた。代わりに宿ったのは、全宇宙を焼き尽くさんばかりの「烈火のごとき情熱」だ。
「零ッ!私のこの『
「待つでありますッ!!零殿は我輩の『一番のオタク友達』!性別など関係なく、ここは男らしく我輩が一生養って、共にガンプラを作り続ける生活を約束するでありますッ!!」
軍曹がどこからともなく取り出した自作の婚姻届を手に、ガルルと取っ組み合いを始める。その横では、顔を真っ赤にしたギロロが拳を固めていた。
「……ふざけるな。零の……師の隣は、俺……近衛の定位置だ。男だろうが女だろうが、俺が守ることに変わりはないッ!!」
最強の軍人たちが一部赤面しながら醜い争いを繰り広げるリビングは、もはや「魔王城」の威厳など微塵もない。そこにあるのは、全宇宙で最も質の悪い「合コン会場(地獄Ver.)」だった。
零「だから……嫌だったんだ………………」
あまりのカオスっぷりに、零は床に落ちたスマホを拾う気力すら失い、虚無の彼方を見つめる。
その時だった。
「…………ちょっと、あんたたち!!」
リビングのドアを蹴破るような勢いで、夏美が乱入した。彼女は零の腕を強引に掴み、
「あんたたちみたいな『バカ宇宙人』に、こんな可愛い子、任せておけるわけないでしょッ!!」
零「なっ、夏美ちゃん!?何を……」
困惑する零を余所に、夏美の頬は微かに朱に染まっていた。
憧れ、そして淡い恋心。
それが「相手も女の子だった」と判明した瞬間、彼女の中でそれは「私がこの子を正しく導き、守ってあげなきゃ!」という強烈な使命感――そして、誰にも渡したくないという独占欲へと昇華されたのだ。
「いい?今日からしばらく零さんは、日向家で預かるわ!冬樹、荷物運ぶの手伝って!!あと桃華ちゃんも呼んで!」
「えっ!?あ、うん!!」
零「……ちょ、待て、夏美ちゃん! 俺の
抵抗も虚しく、零は夏美の怪力によって日向家へと拉致されていく。
残されたリビング。
銀髪を振り乱し、「マスター! お待ちくださいッ!!」と半泣きで追いかけようとするシルバ。
そして、その背後で「クク……女子会かぁ? 面白くねェ……俺様も混ぜろよォ……」と、絶望のあまり逆にハイになった笑顔を浮かべるクルル。
主を失ったガンダム邸には、静寂ではなく、「女の子としての日向家生活」を送る零をどう奪還するかという、新たな、そして最も厄介な戦意が満ち溢れていた。
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