第一節・第二部『ケロロ小隊「オタク化」計画、始動!!』
地下ラボの最深部。
そこは、怪しく明滅するメインモニターの光だけが支配する、狂気の「
クルルは、浮遊するホログラムキーボードを猛烈な勢いで叩きながら、濁った笑い声を漏らす。
「ク〜クックック……できたぜぇ。零の脳内に直接『俺様への絶対
だが、彼が仕上げのエンターキーを叩き込んだ瞬間。ラボ内の全モニターが、血のような赤色の「WARNING」に染まった。
《――告。外部からの超高度ハッキングを検知。…………個体名:クルル曹長の作成したプログラムの「
「ク……ッ!?なんだ、このエラーは!?世界が……ピンク色に……!?」
VRゴーグルを装着していたクルルの視界が激変する。そこには、あろうことか純白のウェディングドレスを着せられ、困惑する自分(クルル)と、漆黒のタキシードを完璧に着こなし、不敵に微笑む零が誓い合う「結婚式場」が広がっていた。
「ぎゃあああああっ!?なんで俺様が『乙女』役なんだよォッ!!悪趣味だぜぇ、大賢者サマよぉぉぉ!!!」
狂った仮想現実の中で、ドレスの裾を振り乱して翻弄されるクルル。その時、現実世界のラボを閉ざしていた重厚な自動ドアが、物理的な衝撃波と共に吹き飛んだ。
零「……他のみんなに比べて、お前だけ随分と安っぽい策だな、曹長」
「ククッ……!?れ、零……ッ!!」
VRゴーグルを強引に剥ぎ取られたクルルの目の前に、呆れと、隠しきれない愉悦を孕んだ瞳の零が立っていた。逃げようとするクルルの肩を掴み、そのまま冷たいラボの床へと一気に押し倒す。
「っ!?おま、近けぇよ……ッ!!」
零「『
零は逃がさないと言わんばかりにクルルの両手首を床に固定した。鼻先が触れ合うほどの至近距離。零の低く、甘く、そして心まで凍りつかせるような冷徹な声が、クルルの耳元に熱を帯びて届く。
零「そんなに俺のことが知りたいなら、機械なんかに頼るなよ。……ほら、直接教えてやる。俺が、どれだけお前を『
その言葉に。そして、至近距離で鋭く光る黒銀の瞳に射抜かれ、クルルの顔はこれまでの人生で見たこともないほど、耳の先まで真っ赤に染まった。喉がヒクりと震え、思考回路がオーバーヒートを起こす。
プライドが、敗北の恐怖が、そしてそれを上回るどうしようもないほどの「悦び」が、彼の理性を、脳を、内側から焼き切っていった。
「……俺、さまの……完敗、だ。クク……。あぁ、堪んねぇなぁ、お前……ッ!!本当に、最高に最低で嫌な
クルルは力なく笑い、その執着に満ちた瞳を、自分を組み伏せる零へと向けた。それは、最強のハッカーが「自分以上の支配者」に屈した、あまりにも不穏で濃密な降伏宣言だった。
続
【閑話休題】→