第一節・第二部『ケロロ小隊「オタク化」計画、始動!!』


「零、下がっていろ!ここから先は、このギロロが、師の絶対防衛圏を構築してみせるッ!!」

軍曹とタママを「次のプレゼン準備をしておいで」と基地へ追い返し、入れ替わりで庭の様子を見に来れば……そこには、のどかな家庭菜園の面影など微塵もない光景が広がっていた。
零の自宅に面した日向家の庭。そこには空を睨む対空レーザー砲が鎮座し、足元には高性能地雷が隙間なく埋設されている。極めつけは、困惑する夏美にパワードスーツを無理強いしているギロロの姿だった。



「いい加減にしなさいよ、ギロロ!!零さんに迷惑でしょッ!!」
「夏美も俺と共に師を守ろうではないか!!」

一触即発の空気が流れる中、零は低く、地を這うような声で割り込んだ。



零「……おい、ギロロ。朝からうるせーぞ」
「零!案ずるな、これで師を狙う宇宙の刺客も一網打尽だ!!」
零「いや、狙われねーから」

自信満々に胸を張るギロロに対し、零は冷ややかに「大賢者」へと合図を送る。



《――了解。「万能糸」による一斉捕縛、および「空間切断」による火器の無力化。……完了しました》
「なっ…!!?」

刹那、ギロロ自慢の兵器群は音を立てて鉄屑へと変わり、当の本人は目に見えないほど細く強靭な糸によって、蜘蛛の巣に掛かった獲物のように吊るし上げられた。



零「で、なにを守るって?速攻で捕まってるお前が?……はっ、笑わせんなよ。守られる価値があるのは、この平和な庭の景色であって、俺じゃあねぇんだよ」

零は驚愕に目を見開くギロロの鼻先まで顔を近づけた。冷徹、かつゾクッとするような艶を帯びた笑みを浮かべる。



零「俺を守りたいなら……その物騒な武器を捨てな。それとも、俺の足元に跪いて、俺の『影』として尽くす方が……お前の性に合ってるか?」
「……ひざ、まず……く?俺が……影として……?」

武人としてのプライドを、零が放つ「支配者魔王」のオーラが瞬時に上書きしていく。ギロロの脳裏に、アニメで見た「主に忠義を尽くす孤高の騎士」のイメージが、零の言葉と重なり、劇的な化学反応を起こした。



「しょ……承知した!俺が悪かった、師よ!武器は捨てよう。……その代わり、俺に師の『近衛』としての役目を与えてくれ!!」
零「ククッ…いいぜ。じゃあ、まずはその格好をなんとかするか。……大賢者、こいつに相応しい『正装』を用意してやれ」

数分後。そこには、薄汚れた軍服を脱ぎ捨て、ケロンサイズの燕尾服をビシッと着こなした「執事ギロロ」が、背筋を伸ばして零の後ろに控えていた。



「近衛って……執事でしたっけ、零さん?」
零「ん?………まあ、似たようなもんだろ!…多分」

呆気にとられる夏美を横目に、零は満足げに頷く。

零「よし。んじゃ最後は……地下で良からぬことを考えてる『黄色いバカ』の掃除に行きますか」






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