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始まった瞬間に終わる恋。
そんなものがあるとするなら、きっと俺の、この恋のことなんだろう。
「好き。初めて会った時から。ずっと、好きだった」
でも、それでもいい。
この恋の果実がひかりを浴びることなく腐って堕ちてしまうのだとしても、俺はこの想いをいつか伝えなきゃいけなかったんだ。
その『いつか』が『いま』だった。それだけのこと。
「壱馬、くん」
「好きだから、」
中途半端な距離で、俺たちは向かい合って立っていた。
友達以上恋人未満。
それを可視化したら、きっとこのくらいの距離になるのだろう。
俺は、ここから先に進むことはできない。
一歩踏み出せば、その先は奈落の底だ。
「君のことが好きだから、君の手で終わらせて。お願い」
これが俺の恋の終焉。
ポケットに突っ込んでいた手を出して、腕を広げる。
「いちどだけ、抱きしめさせて。そうしたら俺はそれ以上は求めないし、もうももには近づかない」
俺のこの想いがそれだけで満たされるとは到底思えなかった。
でも、それ以上求めることは許されない。
俺は北人じゃない。
君が選んだのは俺じゃなかった。
哀しいけど、それが真実なんだ。
「壱馬くん、」
ももは胸の前で手をぎゅっと握って、飴玉の瞳で俺を見つめていた。
薄い唇から、震える息がもれる。
「ごめんなさい」
そんなものがあるとするなら、きっと俺の、この恋のことなんだろう。
「好き。初めて会った時から。ずっと、好きだった」
でも、それでもいい。
この恋の果実がひかりを浴びることなく腐って堕ちてしまうのだとしても、俺はこの想いをいつか伝えなきゃいけなかったんだ。
その『いつか』が『いま』だった。それだけのこと。
「壱馬、くん」
「好きだから、」
中途半端な距離で、俺たちは向かい合って立っていた。
友達以上恋人未満。
それを可視化したら、きっとこのくらいの距離になるのだろう。
俺は、ここから先に進むことはできない。
一歩踏み出せば、その先は奈落の底だ。
「君のことが好きだから、君の手で終わらせて。お願い」
これが俺の恋の終焉。
ポケットに突っ込んでいた手を出して、腕を広げる。
「いちどだけ、抱きしめさせて。そうしたら俺はそれ以上は求めないし、もうももには近づかない」
俺のこの想いがそれだけで満たされるとは到底思えなかった。
でも、それ以上求めることは許されない。
俺は北人じゃない。
君が選んだのは俺じゃなかった。
哀しいけど、それが真実なんだ。
「壱馬くん、」
ももは胸の前で手をぎゅっと握って、飴玉の瞳で俺を見つめていた。
薄い唇から、震える息がもれる。
「ごめんなさい」