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「俺、ももさんのこと好き」
ライブ後のホテルで、北人はぽつりと言った。
俺は頭からバスタオルを被って、なるべく北人の方を見ないようにしながら「そっか」と返す。
おめでとう、もも。
君の恋は、もう少しではじまるよ。
始まった途端に終わる俺の恋、いや、始まりもせずに腐って落ちてしまう俺の恋と違って。
「あの子すごいいい子やし、お似合いやと思う」
「まだ両想いって決まったわけじゃないよ。付き合えるかも分からないのに」
両想いなんだよ。
ふたりとも、俺の想いにも、相手の想いにも気づかずに。俺がその間でキューピッドのように色々と手を回して。
馬鹿みたいだ。
もものために動けば動くほど、俺の恋は遠のいていくのに。
「大丈夫や。きっと。叶うよ」
「…ありがとう。あの店教えてくれたの壱馬だから、壱馬には伝えておきたくて。急にごめん」
「ううん。さ、明日もライブやしはよ寝よ」
「うん。おやすみ」
ぱちりと電気を消して、ベッドに潜り込む。
その夜、俺はすこし、ほんのすこしだけ泣いた。
ライブ後のホテルで、北人はぽつりと言った。
俺は頭からバスタオルを被って、なるべく北人の方を見ないようにしながら「そっか」と返す。
おめでとう、もも。
君の恋は、もう少しではじまるよ。
始まった途端に終わる俺の恋、いや、始まりもせずに腐って落ちてしまう俺の恋と違って。
「あの子すごいいい子やし、お似合いやと思う」
「まだ両想いって決まったわけじゃないよ。付き合えるかも分からないのに」
両想いなんだよ。
ふたりとも、俺の想いにも、相手の想いにも気づかずに。俺がその間でキューピッドのように色々と手を回して。
馬鹿みたいだ。
もものために動けば動くほど、俺の恋は遠のいていくのに。
「大丈夫や。きっと。叶うよ」
「…ありがとう。あの店教えてくれたの壱馬だから、壱馬には伝えておきたくて。急にごめん」
「ううん。さ、明日もライブやしはよ寝よ」
「うん。おやすみ」
ぱちりと電気を消して、ベッドに潜り込む。
その夜、俺はすこし、ほんのすこしだけ泣いた。