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はたり、俺の手の甲に涙が落ちた。
堰を切ったように涙が溢れ出す。
「もも……、ももっ、もも…!」
いかないでほしかった。
たとえこの恋が叶わなくても、ずっとこの店で、俺のだいすきなオペラを作って、おいしいコーヒーを煎れてほしかった。
北人と幸せになってほしかった。
好きでいさせてほしかった。
この1ヶ月、言いたかったことが涙となってとめどなく溢れていく。
もう一度戻ってきて。
お願いだ。
「勝手に死んでんじゃねぇよ……っ!」
便箋が濡れないように、手の甲で涙を拭う。
主を失ったケーキ屋のテーブルで、夕暮れのひかりにてらされながら俺は号泣した。
封筒のなかには、『門外不出です!(笑)』というコメントと共にオペラとシャルロット・レザンのレシピ、それから北人への手紙が入っていた。
俺はそれを寮に持ち帰り、北人に渡した。
北人は今まででいちばん泣き、そして初めて笑った。
俺と北人でレシピに従って、それぞれオペラとシャルロット・レザンを作った。
途中からメンバーも手伝ってくれて、最終的にはなぜか16人全員でクリームまみれになりながらケーキ作りに励むというなんともシュールな構図ができてしまった。
後でキッチンを汚しすぎだと寮母さんに怒られた。
そうやって何とか完成させたものはももが作ったみたいに綺麗になんて全然できなくて、ぶかっこうなケーキだったけど。
それは、確かにももの味がした。
俺と北人はその夜、泣きながらケーキを食べた。
堰を切ったように涙が溢れ出す。
「もも……、ももっ、もも…!」
いかないでほしかった。
たとえこの恋が叶わなくても、ずっとこの店で、俺のだいすきなオペラを作って、おいしいコーヒーを煎れてほしかった。
北人と幸せになってほしかった。
好きでいさせてほしかった。
この1ヶ月、言いたかったことが涙となってとめどなく溢れていく。
もう一度戻ってきて。
お願いだ。
「勝手に死んでんじゃねぇよ……っ!」
便箋が濡れないように、手の甲で涙を拭う。
主を失ったケーキ屋のテーブルで、夕暮れのひかりにてらされながら俺は号泣した。
封筒のなかには、『門外不出です!(笑)』というコメントと共にオペラとシャルロット・レザンのレシピ、それから北人への手紙が入っていた。
俺はそれを寮に持ち帰り、北人に渡した。
北人は今まででいちばん泣き、そして初めて笑った。
俺と北人でレシピに従って、それぞれオペラとシャルロット・レザンを作った。
途中からメンバーも手伝ってくれて、最終的にはなぜか16人全員でクリームまみれになりながらケーキ作りに励むというなんともシュールな構図ができてしまった。
後でキッチンを汚しすぎだと寮母さんに怒られた。
そうやって何とか完成させたものはももが作ったみたいに綺麗になんて全然できなくて、ぶかっこうなケーキだったけど。
それは、確かにももの味がした。
俺と北人はその夜、泣きながらケーキを食べた。