第3章
夢小説設定
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「あぁ、また負けた」
来栖がトランプをぽい、と放り投げて苦笑いを浮かべた。対照的に涼やかな笑みを浮かべる私は、もうどれだけ稼いだかも分からないチップを優雅に引き寄せる。
「私は、絶対に負けませんから」
「恐ろしいな。イカサマもせずに、ただひたすらその頭脳と運のみで勝ち続ける…美しい金目の梟」
テーブルの向こうで来栖のグレーの瞳がすっと細められる。男らしい手が伸びてきて、私の手の上に重ねられた。
「まるで、君自身が運命を支配する女神のようだ」
この男と知り合って1ヶ月。この男との賭けに勝ち続けること163戦。
この男がはじめて私に触れた日。
私は微笑んで、そっとテーブルに置いていた手を膝の上に戻した。来栖は残念そうに肩を竦める。
「女神様はなかなか俺には微笑んでくれないね」
「運命の女神様?」
「いや?」
来栖の瞳が、獲物を狙う蛇のように鋭さを増す。
「恋の女神様だよ」
かかった、私は直感する。
この1ヶ月をかけてじわりじわりと見えない蜘蛛の糸で絡めとってきた、この男の心。
長年計画してきた策の終焉に繋がる重要なパーツなのだ、こと慎重に小さな罠を仕掛け続けてきた。
その罠が、ようやく効果を示し始めたのだ。
このゲームのディーラーをしていた慎はこちらに気を遣うように視線を逸らしている。きっとこのゲームが私の復讐の一端だとは露ほども思っていないのだろう。
私はなんだか全てのことがひどく滑稽に思えてきて、口の端を大きく吊り上げた。
「あら、そうでもないと思いますよ?」
来栖がトランプをぽい、と放り投げて苦笑いを浮かべた。対照的に涼やかな笑みを浮かべる私は、もうどれだけ稼いだかも分からないチップを優雅に引き寄せる。
「私は、絶対に負けませんから」
「恐ろしいな。イカサマもせずに、ただひたすらその頭脳と運のみで勝ち続ける…美しい金目の梟」
テーブルの向こうで来栖のグレーの瞳がすっと細められる。男らしい手が伸びてきて、私の手の上に重ねられた。
「まるで、君自身が運命を支配する女神のようだ」
この男と知り合って1ヶ月。この男との賭けに勝ち続けること163戦。
この男がはじめて私に触れた日。
私は微笑んで、そっとテーブルに置いていた手を膝の上に戻した。来栖は残念そうに肩を竦める。
「女神様はなかなか俺には微笑んでくれないね」
「運命の女神様?」
「いや?」
来栖の瞳が、獲物を狙う蛇のように鋭さを増す。
「恋の女神様だよ」
かかった、私は直感する。
この1ヶ月をかけてじわりじわりと見えない蜘蛛の糸で絡めとってきた、この男の心。
長年計画してきた策の終焉に繋がる重要なパーツなのだ、こと慎重に小さな罠を仕掛け続けてきた。
その罠が、ようやく効果を示し始めたのだ。
このゲームのディーラーをしていた慎はこちらに気を遣うように視線を逸らしている。きっとこのゲームが私の復讐の一端だとは露ほども思っていないのだろう。
私はなんだか全てのことがひどく滑稽に思えてきて、口の端を大きく吊り上げた。
「あら、そうでもないと思いますよ?」