第一章
夢小説設定
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『続いては今注目の人物を紹介するコーナー!今回紹介するのは先日このミステリーがすごい大賞を若干20歳で受賞した小説家、櫻川さくらさんです!』
1ヶ月後に迫った単独ツアーの振り入れを終え、スタジオから帰ってきた俺はテレビから流れてくるアナウンサーの声に、ふと振り返った。
さくらの写真と共に簡単なプロフィールが紹介される。
『櫻川さんは今、『可愛すぎる小説家』としてじわじわと人気を集めてきているんです!本人の意向からメディアへの露出が極めて少ないにも関わらず、編集社の公式SNSなどにアップされている写真が可愛すぎると注目されています』
あーあ、こんなこと言われてるって知ったらさくら怒るだろうな。
可愛いと言われるのを嫌う女なんて、俺が知る限りさくらだけだ。
「へぇ~、確かに可愛いかも」
テレビの前を通りかかった山彰さんが何気なく呟く。
さくらは可愛いと言われるのを嫌がるけど、俺は逆に嬉しくなる。
俺の幼なじみはこんなに可愛くて才能に溢れた奴なんだぞと高らかに宣言したくなるのだ。
でも何となくそこら辺の男には渡したくないというか、さくらは家族同然だから、妙な独占欲みたいなものも働いてしまうから人の心って難しい。
そんな複雑な心境から、壱馬さんやメンバーにすらさくらのことは話せていない。
「…なんやいっちゃん、こういう子がタイプなんか?」
俺がテレビをじっと見ているのを目ざとく発見した陣さんがニヤリと笑った。
「まぁ、そうっすね」
「おっマジ?」
「だって猫っぽいじゃないすか。見た目も中身も」
大きなアーモンドアイと、柔らかい頬と、あと気まぐれな性格。顎の下をくすぐられるのが好きなところとかも、猫そっくり。
共感を得られたかと思ったが、しかし陣さんと山彰さんは怪訝な表情で首を傾げただけだった。
「樹、なんで性格まで知ってんの?そんなにこの子のファンなの?」
「え?…あ、」
しまった。口が滑った。
別に隠す理由はないのだけれど、俺は何となく誤魔化した。
「いや…何となく、そんな性格してそうだなって」
「そうかぁ?」
「そうっすよ」
何とか押し切って(押しきれてないけど)、俺はそそくさと自分の部屋に退散する。
「なんや、変ないっちゃん」
「ん~…」
首を捻る陣さんの隣で、山彰さんがなにかを探るようにテレビ画面をじっと見つめていた。
「あー…もしかして…」
1ヶ月後に迫った単独ツアーの振り入れを終え、スタジオから帰ってきた俺はテレビから流れてくるアナウンサーの声に、ふと振り返った。
さくらの写真と共に簡単なプロフィールが紹介される。
『櫻川さんは今、『可愛すぎる小説家』としてじわじわと人気を集めてきているんです!本人の意向からメディアへの露出が極めて少ないにも関わらず、編集社の公式SNSなどにアップされている写真が可愛すぎると注目されています』
あーあ、こんなこと言われてるって知ったらさくら怒るだろうな。
可愛いと言われるのを嫌う女なんて、俺が知る限りさくらだけだ。
「へぇ~、確かに可愛いかも」
テレビの前を通りかかった山彰さんが何気なく呟く。
さくらは可愛いと言われるのを嫌がるけど、俺は逆に嬉しくなる。
俺の幼なじみはこんなに可愛くて才能に溢れた奴なんだぞと高らかに宣言したくなるのだ。
でも何となくそこら辺の男には渡したくないというか、さくらは家族同然だから、妙な独占欲みたいなものも働いてしまうから人の心って難しい。
そんな複雑な心境から、壱馬さんやメンバーにすらさくらのことは話せていない。
「…なんやいっちゃん、こういう子がタイプなんか?」
俺がテレビをじっと見ているのを目ざとく発見した陣さんがニヤリと笑った。
「まぁ、そうっすね」
「おっマジ?」
「だって猫っぽいじゃないすか。見た目も中身も」
大きなアーモンドアイと、柔らかい頬と、あと気まぐれな性格。顎の下をくすぐられるのが好きなところとかも、猫そっくり。
共感を得られたかと思ったが、しかし陣さんと山彰さんは怪訝な表情で首を傾げただけだった。
「樹、なんで性格まで知ってんの?そんなにこの子のファンなの?」
「え?…あ、」
しまった。口が滑った。
別に隠す理由はないのだけれど、俺は何となく誤魔化した。
「いや…何となく、そんな性格してそうだなって」
「そうかぁ?」
「そうっすよ」
何とか押し切って(押しきれてないけど)、俺はそそくさと自分の部屋に退散する。
「なんや、変ないっちゃん」
「ん~…」
首を捻る陣さんの隣で、山彰さんがなにかを探るようにテレビ画面をじっと見つめていた。
「あー…もしかして…」