第一章
夢小説設定
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俺のマフラーを巻いてちょこちょこと後ろをくっついてくるさくらは猫みたいで、可愛い。2人して中吉という微妙なおみくじを木に括って、出店で売っている甘酒を買った。
「あちっ」
「ちゃんと冷まして飲まないから」
さくらは熱々の甘酒でヤケドした舌を出しながら顔を顰める。
相変わらず世話の焼ける奴。
俺はさくらから甘酒のお椀を取り上げ、ふうふうと息をふきかける。
「…こんなもんかな。はい」
「ありがと」
猫舌なところとか、寒いのが嫌いなところとかもぜんぶ猫っぽい。
だからつい甘やかしてしまうんだろうなぁとしみじみ思いながら甘酒を啜る。
「この後、私ん家でお母さんがおせち用意してるから藤原家みんなおいでって」
「毎年悪いね」
「いいんじゃない?いつもむしろ嬉しそうに作ってるから」
さくらは白い息をほうっと吐き出しながら言った。
さくらの両親は苗字の「櫻川」にちなんで「さくら屋」という居酒屋を営んでいる。地元ではかなり人気で、当然料理も美味しい。
俺の家とは家族ぐるみの付き合いなため、正月は二家族でさくら屋に集まってお手製のおせち料理を食べるのが毎年の恒例なのだ。
「おじさんとおばさんのおせち、めちゃくちゃ美味しいから好き」
「んふふ、私も好き。ていうかお正月にみんなで過ごせるのが好き」
「分かる」
他愛もない会話。
家族以外だと、こんなにリラックスできるのはさくらの前くらいだろう。
自己管理能力が皆無で自堕落かつ快楽主義を極めたようなさくらには俺が必要不可欠だと、確信を持って言えるけど。
俺だって、さくらがいないとダメなんだ。
「…さ、お参りもできたし帰ろ。おじさんとおばさんが待ってる」
「おせちじゃ~お雑煮じゃ~」
嬉しそうに坂をくだっていくさくらの小さな背中を眺めて、ふっと笑う。
俺の、3つ目の願い。
いつかさくらが、日本で1番のミステリ作家になりますように。
「あちっ」
「ちゃんと冷まして飲まないから」
さくらは熱々の甘酒でヤケドした舌を出しながら顔を顰める。
相変わらず世話の焼ける奴。
俺はさくらから甘酒のお椀を取り上げ、ふうふうと息をふきかける。
「…こんなもんかな。はい」
「ありがと」
猫舌なところとか、寒いのが嫌いなところとかもぜんぶ猫っぽい。
だからつい甘やかしてしまうんだろうなぁとしみじみ思いながら甘酒を啜る。
「この後、私ん家でお母さんがおせち用意してるから藤原家みんなおいでって」
「毎年悪いね」
「いいんじゃない?いつもむしろ嬉しそうに作ってるから」
さくらは白い息をほうっと吐き出しながら言った。
さくらの両親は苗字の「櫻川」にちなんで「さくら屋」という居酒屋を営んでいる。地元ではかなり人気で、当然料理も美味しい。
俺の家とは家族ぐるみの付き合いなため、正月は二家族でさくら屋に集まってお手製のおせち料理を食べるのが毎年の恒例なのだ。
「おじさんとおばさんのおせち、めちゃくちゃ美味しいから好き」
「んふふ、私も好き。ていうかお正月にみんなで過ごせるのが好き」
「分かる」
他愛もない会話。
家族以外だと、こんなにリラックスできるのはさくらの前くらいだろう。
自己管理能力が皆無で自堕落かつ快楽主義を極めたようなさくらには俺が必要不可欠だと、確信を持って言えるけど。
俺だって、さくらがいないとダメなんだ。
「…さ、お参りもできたし帰ろ。おじさんとおばさんが待ってる」
「おせちじゃ~お雑煮じゃ~」
嬉しそうに坂をくだっていくさくらの小さな背中を眺めて、ふっと笑う。
俺の、3つ目の願い。
いつかさくらが、日本で1番のミステリ作家になりますように。