第三章
夢小説設定
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「い、樹……?」
走ってきたのだろうか、樹は大きく肩で息をしながら寝室の入り口に立っていた。
「はぁ、は……さくら、」
え、仕事は?今年の春から始まるアリーナツアーに向けたダンスレッスンがあるって…
呆然とする私に、樹は突然ベッドにダイブするように抱きついてきた。
「うわ!?は、ちょ、樹!?何なに何!?」
「さくら、さくら、さくら…!」
筋肉モリモリの成人男性に乗っかられて、押し潰されそうだ。日本号はいつの間にかベッドの下に降りていて、くそ、ちゃっかりしてやがる。
「どしたの樹、レッスンがあるって昨日LINEで言ってなかった?ていうか重い!どけ!」
「いま昼休憩中。ていうかそんなことより…!」
樹は私の顔の両側に手をついて、がばりと上半身を起こす。
真上に、大好きな人の大好きな笑顔があった。
「日向さんから聞いたよ、直木賞おめでとう。さくらなら絶対取れるって思ってた」
日向さんめ余計なこと言いやがってとか、昼休憩の時間を割いてまでそんなことを言いに来たのかとか、ていうか重いから早くどけとか、そんなことを言う前に、
くちびるが重なった。
甘く、とろけるような口づけ。
「…ふ、」
「ん…っ、ちょっと!いきなり何!?」
「俺の喜びを表現した」
「…そうですか」
普段はめったにしないキスなんかして、それほど嬉しいのだろうか。
私は何だか悔しくなって、樹の胸ぐらを掴むとぐっと引き寄せた。
ちゅ、
「…樹」
「何?」
「ありがとう」
「何だよいきなり」
樹は私の頬を親指で撫でながら、すこし笑った。
「ぜんぶ。今までそばにいてくれて、私が潰れそうな時も支えてくれて、これからも一緒にいてくれること。ぜんぶ、ありがとう」
真上にある樹の顔を両手で挟み込んで、私も笑う。
『猫と月』。
GO ON THE RAMPAGE TOUR 2017-2018、そのラストの日に書き上げた作品を一番最初に読んだのは樹だった。
今まで誰にも教えてこなかった私のタトゥーの意味も、確かに伝わったはずだ。
「だいすき」
真っ暗な空に静かに浮かぶ、私のお月様。
たとえ見えなくても確かにそこに在って、いつも私の道しるべでいてくれる。
今までも、これからも。
「俺も。だいすきだよ」
走ってきたのだろうか、樹は大きく肩で息をしながら寝室の入り口に立っていた。
「はぁ、は……さくら、」
え、仕事は?今年の春から始まるアリーナツアーに向けたダンスレッスンがあるって…
呆然とする私に、樹は突然ベッドにダイブするように抱きついてきた。
「うわ!?は、ちょ、樹!?何なに何!?」
「さくら、さくら、さくら…!」
筋肉モリモリの成人男性に乗っかられて、押し潰されそうだ。日本号はいつの間にかベッドの下に降りていて、くそ、ちゃっかりしてやがる。
「どしたの樹、レッスンがあるって昨日LINEで言ってなかった?ていうか重い!どけ!」
「いま昼休憩中。ていうかそんなことより…!」
樹は私の顔の両側に手をついて、がばりと上半身を起こす。
真上に、大好きな人の大好きな笑顔があった。
「日向さんから聞いたよ、直木賞おめでとう。さくらなら絶対取れるって思ってた」
日向さんめ余計なこと言いやがってとか、昼休憩の時間を割いてまでそんなことを言いに来たのかとか、ていうか重いから早くどけとか、そんなことを言う前に、
くちびるが重なった。
甘く、とろけるような口づけ。
「…ふ、」
「ん…っ、ちょっと!いきなり何!?」
「俺の喜びを表現した」
「…そうですか」
普段はめったにしないキスなんかして、それほど嬉しいのだろうか。
私は何だか悔しくなって、樹の胸ぐらを掴むとぐっと引き寄せた。
ちゅ、
「…樹」
「何?」
「ありがとう」
「何だよいきなり」
樹は私の頬を親指で撫でながら、すこし笑った。
「ぜんぶ。今までそばにいてくれて、私が潰れそうな時も支えてくれて、これからも一緒にいてくれること。ぜんぶ、ありがとう」
真上にある樹の顔を両手で挟み込んで、私も笑う。
『猫と月』。
GO ON THE RAMPAGE TOUR 2017-2018、そのラストの日に書き上げた作品を一番最初に読んだのは樹だった。
今まで誰にも教えてこなかった私のタトゥーの意味も、確かに伝わったはずだ。
「だいすき」
真っ暗な空に静かに浮かぶ、私のお月様。
たとえ見えなくても確かにそこに在って、いつも私の道しるべでいてくれる。
今までも、これからも。
「俺も。だいすきだよ」
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