第三章
夢小説設定
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タイミングが悪かった。
樹たちのツアーファイナルが始まる3日前にこの記事が出てしまったから。
私の編集社とLDH双方から働きかけたが、もみ消すことはできなかった。
THE RAMPAGEのSNSは大炎上、編集社の方にも怒り狂った樹のファンたちから抗議の電話やメールが押し寄せている。
さらに、私の読者からのクレームも多数来ているらしかった。
【やはりただの幼なじみではなかった!
『このミス』作家櫻川さくら、ストーカー被害の次はTHE RAMPAGEパフォーマー藤原樹と蜜月ロマンス】
見出しにはそんなタイトルが踊り、記事の内容はあることないこと好き放題に書かれている。
【今年5月、ストーカー被害にあい深い心の傷を負った櫻川氏を献身的に支えたのは幼なじみのTHE RAMPAGEパフォーマー藤原氏だった。ツアーの合間を縫って頻繁に櫻川氏の自宅に通い、時には泊まっていくことも。2人が一線を越えていることはほぼ間違いないだろう。幼なじみとしての友情が恋に発展しても全く不思議ではない、それほどまでに2人の心の距離は近いように思われた。
写真のようにベランダでは仲睦まじく抱き合い、櫻川氏の数ヶ月ぶりの外出にはやはり藤原氏が付き添う。都内のレストランで食事を終え、外に出た2人はじゃれあうように無邪気な素振りを見せ、甘やかで特別な関係であることは明らかであった。
両者のファンの間では2人がお揃いのデザインのリングとピアスを付けていることは確認されており、以前から恋人関係にあるのではないかという噂もあった。】
記事のコピーをくしゃりと握りつぶす。
…いや。
悪かったのはタイミングだけじゃない。
樹に甘え過ぎてた私が悪かったんだ。
ファイナルを目前に控えた樹や、THE RAMPAGEのメンバーのみんなにこれ以上迷惑をかける訳にはいかない。
だから私は、記事が出た翌日に日向さんにセッティングをお願いして記者会見を開いた。
「本日はお忙しいところ、私事でお時間を要することになり大変申し訳ありません」
大量のカメラのフラッシュ。目がおかしくなりそうだった。
でも、逃げちゃダメだ。
THE RAMPAGEのみんなのために。
樹のために。
樹たちのツアーファイナルが始まる3日前にこの記事が出てしまったから。
私の編集社とLDH双方から働きかけたが、もみ消すことはできなかった。
THE RAMPAGEのSNSは大炎上、編集社の方にも怒り狂った樹のファンたちから抗議の電話やメールが押し寄せている。
さらに、私の読者からのクレームも多数来ているらしかった。
【やはりただの幼なじみではなかった!
『このミス』作家櫻川さくら、ストーカー被害の次はTHE RAMPAGEパフォーマー藤原樹と蜜月ロマンス】
見出しにはそんなタイトルが踊り、記事の内容はあることないこと好き放題に書かれている。
【今年5月、ストーカー被害にあい深い心の傷を負った櫻川氏を献身的に支えたのは幼なじみのTHE RAMPAGEパフォーマー藤原氏だった。ツアーの合間を縫って頻繁に櫻川氏の自宅に通い、時には泊まっていくことも。2人が一線を越えていることはほぼ間違いないだろう。幼なじみとしての友情が恋に発展しても全く不思議ではない、それほどまでに2人の心の距離は近いように思われた。
写真のようにベランダでは仲睦まじく抱き合い、櫻川氏の数ヶ月ぶりの外出にはやはり藤原氏が付き添う。都内のレストランで食事を終え、外に出た2人はじゃれあうように無邪気な素振りを見せ、甘やかで特別な関係であることは明らかであった。
両者のファンの間では2人がお揃いのデザインのリングとピアスを付けていることは確認されており、以前から恋人関係にあるのではないかという噂もあった。】
記事のコピーをくしゃりと握りつぶす。
…いや。
悪かったのはタイミングだけじゃない。
樹に甘え過ぎてた私が悪かったんだ。
ファイナルを目前に控えた樹や、THE RAMPAGEのメンバーのみんなにこれ以上迷惑をかける訳にはいかない。
だから私は、記事が出た翌日に日向さんにセッティングをお願いして記者会見を開いた。
「本日はお忙しいところ、私事でお時間を要することになり大変申し訳ありません」
大量のカメラのフラッシュ。目がおかしくなりそうだった。
でも、逃げちゃダメだ。
THE RAMPAGEのみんなのために。
樹のために。