第三章
夢小説設定
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ただ樹がそばに居てくれれば大丈夫だと、そう思っていたのに。
「イタリアン、美味しかったね」
「うん。ありがと樹」
何ヶ月ぶりの外食だろう、仕事終わりの樹に連れてきてもらった中目黒の隠れ家的なイタリアンはとても美味しかった。
「あっつ…夏だね」
「ツアーファイナルの頃が一番暑そうだな」
「明日ファイナルのリハなんだっけ」
「そう。だから今日は寮帰るね。どうせ方向一緒だし同じタクシー乗るけど」
「分かった」
一応お互いに世間的に顔が知られているため、マスクと帽子で顔を隠してタクシーを待つ。
と、誰も見ていないのをいいことに樹が私にじゃれつき始めた。
お揃いのピアスを揺らしてみたり、くすぐってきたり。
「あは、ちょ、やめてよくすぐったい」
「…」
「無言!?」
仕返しとばかりに私は樹の首筋をこちょこちょくすぐる。
「うわっ、ぞわってした」
「ふふーん」
そんなことをしているとそのうちタクシーが来た。先に私の家に到着して、その日はそのまま別れる。
その後1週間は特に何も無く、平穏な日々を送っていた。
問題は、樹とのディナーから10日が経った時。
『せせせ先生!大変です!』
「日向さん…どうしたんですか?まだ朝の11時ですけど」
『もう朝の11時です!…ていうかそれどころじゃないですよ!パソコンに僕が送ったメール!見てください今すぐに!』
何やら慌てた日向さんの声に急かされるがまま、私はパソコンを立ち上げてメールを開く。
そこに添付されていたのは。
私の家のベランダで、私と樹がハグをしている写真。
それから、道路で私と樹がじゃれあっている写真。
取られた角度から見て明らかに盗撮だった。
「な……」
何だこれは。
「な、何なんですかこれは」
身体が勝手に震え出す。あの恐怖をもう一度鮮明に思い出して、呼吸が荒くなっていく。
電話の向こうでは、日向さんが半ばパニックになりながら叫んでいた。
『文春砲ですよ!先生と藤原さんの関係を週刊誌がスクープするつもりなんです!』
「イタリアン、美味しかったね」
「うん。ありがと樹」
何ヶ月ぶりの外食だろう、仕事終わりの樹に連れてきてもらった中目黒の隠れ家的なイタリアンはとても美味しかった。
「あっつ…夏だね」
「ツアーファイナルの頃が一番暑そうだな」
「明日ファイナルのリハなんだっけ」
「そう。だから今日は寮帰るね。どうせ方向一緒だし同じタクシー乗るけど」
「分かった」
一応お互いに世間的に顔が知られているため、マスクと帽子で顔を隠してタクシーを待つ。
と、誰も見ていないのをいいことに樹が私にじゃれつき始めた。
お揃いのピアスを揺らしてみたり、くすぐってきたり。
「あは、ちょ、やめてよくすぐったい」
「…」
「無言!?」
仕返しとばかりに私は樹の首筋をこちょこちょくすぐる。
「うわっ、ぞわってした」
「ふふーん」
そんなことをしているとそのうちタクシーが来た。先に私の家に到着して、その日はそのまま別れる。
その後1週間は特に何も無く、平穏な日々を送っていた。
問題は、樹とのディナーから10日が経った時。
『せせせ先生!大変です!』
「日向さん…どうしたんですか?まだ朝の11時ですけど」
『もう朝の11時です!…ていうかそれどころじゃないですよ!パソコンに僕が送ったメール!見てください今すぐに!』
何やら慌てた日向さんの声に急かされるがまま、私はパソコンを立ち上げてメールを開く。
そこに添付されていたのは。
私の家のベランダで、私と樹がハグをしている写真。
それから、道路で私と樹がじゃれあっている写真。
取られた角度から見て明らかに盗撮だった。
「な……」
何だこれは。
「な、何なんですかこれは」
身体が勝手に震え出す。あの恐怖をもう一度鮮明に思い出して、呼吸が荒くなっていく。
電話の向こうでは、日向さんが半ばパニックになりながら叫んでいた。
『文春砲ですよ!先生と藤原さんの関係を週刊誌がスクープするつもりなんです!』