第三章
夢小説設定
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5月が終わり、6月も過ぎ、あっという間に夏がやってきた。
私はと言えばすっかり元通りとはいかないが、少しずつ気持ちが前向きになってきた。どん底からは脱出しつつある。
「あ、俺今日泊まってく」
「また?」
「またって何だよ」
皿洗いをしながら樹がむっとした。
「最近しょっちゅう泊まってるから」
「いいだろ、幼なじみなんだし」
「そうだけど」
もちろん樹とたくさんの時間を共有できるのはすごく嬉しいことだけど。
そのうち樹のファンに刺殺されそう。
「ねぇ樹」
「なに?」
私は読んでいた本を机に置いて、キッチンの樹を見た。
「樹には私が必要だし私にも樹が必要だけど」
「間違いない」
「することシてはやく結婚しなよ」
「お前たまにとんでもないこと言うよね」
樹は呆れ顔で私の隣に座る。
「樹が身を固めてくれないと私がいつまでたっても自立できないじゃん」
「自分で自立する努力してよ」
「だって樹が全部やってくれるんだもーん」
私が樹の膝の上にごろりと寝転がると、樹は何かを諦めたような表情で私の顎の下を撫で始めた。
「ていうかさ」
「ん?」
「さくらは俺とそういうことするの嫌なの?」
「は?」
私の顎をゆっくり撫でながら何でもないことのように尋ねる。
そういうことって、どういうこと?
そういうことか。
「なんでそうなんの」
「だって俺らはお互いが1番大事じゃん。そんで俺はさくらのお世話したいしさくらは俺から自立するつもりもない。だったらもういっそのことさくらの言うみたいなすることシて身を固めちゃったらいいんじゃないかって思うんだけど」
「ん~…」
中々に衝撃的なセリフな気がしたが私と樹の間柄なら何でもありだし、とりあえず私は真剣に考えてみることにした。
「あっ」
「ん?」
「絶対ムリ」
「…え?」
「だって樹には料理も掃除も選択もできる自立した巨乳の美女がいるもん」
そうだ。私が片想いを続けてきた大切な幼なじみに相応しいのは私じゃない。
「…誰?」
「樹が将来結婚する人」
樹はぽかんと私を見下ろしている。私はそんな樹の顔を両手で挟み込んで、笑った。
「樹には幸せになってほしいから。私は樹とそういうことはできない」
樹が幸せになってくれれば、私はそれで充分だから。
「私が大変な時に、ずっとそばにいてくれて…樹がいたから私は今、こうやって少しずつ小説家としての仕事に戻り始めることができてるんだよ。すごく感謝してる。ありがとう樹、樹がいなかったらあのまま潰れてた」
私は樹の顔をそっと引き寄せて、額と額をこつんと合わせた。
「大好きだよ」
私はと言えばすっかり元通りとはいかないが、少しずつ気持ちが前向きになってきた。どん底からは脱出しつつある。
「あ、俺今日泊まってく」
「また?」
「またって何だよ」
皿洗いをしながら樹がむっとした。
「最近しょっちゅう泊まってるから」
「いいだろ、幼なじみなんだし」
「そうだけど」
もちろん樹とたくさんの時間を共有できるのはすごく嬉しいことだけど。
そのうち樹のファンに刺殺されそう。
「ねぇ樹」
「なに?」
私は読んでいた本を机に置いて、キッチンの樹を見た。
「樹には私が必要だし私にも樹が必要だけど」
「間違いない」
「することシてはやく結婚しなよ」
「お前たまにとんでもないこと言うよね」
樹は呆れ顔で私の隣に座る。
「樹が身を固めてくれないと私がいつまでたっても自立できないじゃん」
「自分で自立する努力してよ」
「だって樹が全部やってくれるんだもーん」
私が樹の膝の上にごろりと寝転がると、樹は何かを諦めたような表情で私の顎の下を撫で始めた。
「ていうかさ」
「ん?」
「さくらは俺とそういうことするの嫌なの?」
「は?」
私の顎をゆっくり撫でながら何でもないことのように尋ねる。
そういうことって、どういうこと?
そういうことか。
「なんでそうなんの」
「だって俺らはお互いが1番大事じゃん。そんで俺はさくらのお世話したいしさくらは俺から自立するつもりもない。だったらもういっそのことさくらの言うみたいなすることシて身を固めちゃったらいいんじゃないかって思うんだけど」
「ん~…」
中々に衝撃的なセリフな気がしたが私と樹の間柄なら何でもありだし、とりあえず私は真剣に考えてみることにした。
「あっ」
「ん?」
「絶対ムリ」
「…え?」
「だって樹には料理も掃除も選択もできる自立した巨乳の美女がいるもん」
そうだ。私が片想いを続けてきた大切な幼なじみに相応しいのは私じゃない。
「…誰?」
「樹が将来結婚する人」
樹はぽかんと私を見下ろしている。私はそんな樹の顔を両手で挟み込んで、笑った。
「樹には幸せになってほしいから。私は樹とそういうことはできない」
樹が幸せになってくれれば、私はそれで充分だから。
「私が大変な時に、ずっとそばにいてくれて…樹がいたから私は今、こうやって少しずつ小説家としての仕事に戻り始めることができてるんだよ。すごく感謝してる。ありがとう樹、樹がいなかったらあのまま潰れてた」
私は樹の顔をそっと引き寄せて、額と額をこつんと合わせた。
「大好きだよ」