第一章
夢小説設定
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2018年、1月下旬。
私はひとつ、重大な決断をした。
『引越し?』
電話越しに樹が素っ頓狂な声をあげる。私は山積みのダンボールを開封しながら答えた。福岡から連れてきた日本号が日向ぼっこをしている。
「そう。とうとう日向さんにほぼ強制的に引越しさせられた」
『何で突然…』
「このミス大賞取ってからかなり仕事が増えてたんだけど、東京と福岡じゃ打ち合わせもできないし、やっぱり東京に来てくれって。東京にいる方が締切も伸びるし、正直私も限界感じてたからまぁじゃあ引っ越しますって言って。樹もいるしね」
というか樹がいるから住み慣れた福岡を離れてもいいと思ったのだ。
福岡のテレビ越しに見る樹はまるで知らない人で、それが寂しかった。いつか遠くの人になってしまうのは分かっていたけど、だからこそせめて少しでも長く近くでその成長を見ていたかったのだ。
『え、じゃあもう東京にいるの?どこのマンション?』
「代官山。樹んとこからだったら東急東横線か日比谷線ですぐ来れるよ」
築年数こそそんなに新しくないけど広めの2LDKで外観も内観もお洒落、お風呂も広いしセキュリティもしっかりしてるし駅チカだしで言うことなし。樹の寮からも近いし。
『…お前それわざと寮の近くにしただろ。俺に世話させようとして』
「分かってんじゃん」
料理も片付けもできない私が一人暮らしなんてできるはずない。日向さんか樹に世話してもらおうという魂胆だ。
「というわけで住所教えるから暇な日来てね。荷物全然片付いてないから。たくさんあるから誰か他にも連れてきていいよ」
『は?ちょ、』
ぶつり
通話を強制終了して、私はダンボールが山積みの部屋を見回した。ほとんどが私の蔵書なのだが、2000冊くらいあるのでとにかく片付かない。
…よし。
「樹にやってもらお」
私はひとつ、重大な決断をした。
『引越し?』
電話越しに樹が素っ頓狂な声をあげる。私は山積みのダンボールを開封しながら答えた。福岡から連れてきた日本号が日向ぼっこをしている。
「そう。とうとう日向さんにほぼ強制的に引越しさせられた」
『何で突然…』
「このミス大賞取ってからかなり仕事が増えてたんだけど、東京と福岡じゃ打ち合わせもできないし、やっぱり東京に来てくれって。東京にいる方が締切も伸びるし、正直私も限界感じてたからまぁじゃあ引っ越しますって言って。樹もいるしね」
というか樹がいるから住み慣れた福岡を離れてもいいと思ったのだ。
福岡のテレビ越しに見る樹はまるで知らない人で、それが寂しかった。いつか遠くの人になってしまうのは分かっていたけど、だからこそせめて少しでも長く近くでその成長を見ていたかったのだ。
『え、じゃあもう東京にいるの?どこのマンション?』
「代官山。樹んとこからだったら東急東横線か日比谷線ですぐ来れるよ」
築年数こそそんなに新しくないけど広めの2LDKで外観も内観もお洒落、お風呂も広いしセキュリティもしっかりしてるし駅チカだしで言うことなし。樹の寮からも近いし。
『…お前それわざと寮の近くにしただろ。俺に世話させようとして』
「分かってんじゃん」
料理も片付けもできない私が一人暮らしなんてできるはずない。日向さんか樹に世話してもらおうという魂胆だ。
「というわけで住所教えるから暇な日来てね。荷物全然片付いてないから。たくさんあるから誰か他にも連れてきていいよ」
『は?ちょ、』
ぶつり
通話を強制終了して、私はダンボールが山積みの部屋を見回した。ほとんどが私の蔵書なのだが、2000冊くらいあるのでとにかく片付かない。
…よし。
「樹にやってもらお」