第一章
夢小説設定
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2014年、9月12日。
当時17歳で高校2年生だった私は、夜、幼なじみからの電話に出ていた。
「もしもし、樹?武者修行ファイナルお疲れ様。どうしたの?」
幼稚園からずっと一緒の藤原樹。普段は寡黙な樹から電話がかかってくるなんて珍しい。
でも、今日は特別な日。
THE RAMPAGEの武者修行がファイナルを迎えた日だ。
「俺、THE RAMPAGEの正式メンバーになった」
「え?」
「今日のライブで発表があって。16人全員が正式にメンバー入りできた」
泣いてる。
電話の向こうで樹が泣いている。
だから私は樹の分まで、笑った。
「おめでとう。樹なら絶対THE RAMPAGEになれるって思ってた」
「うん…ありがと。さくらがそうやって信じてくれてたの知ってるから、1番に知らせたくて」
「当たり前だよ。幼なじみだもん」
幼なじみで、片想いの人だから。
「俺いなくなっても3つ子の姉妹に朝起こしてもらうようにお願いしたから。ていうか自分で起きれるようになれよ」
「無理。本読んでたら朝になっちゃうんだもん」
「はぁ…まぁいいや。あとこれ、寮の住所。何かあった時のために、一応。正月には帰るから」
「はいはい」
東京に行ってしまう樹。
出発の日の朝、私の家に来た樹は、今まで通りあれこれと世話を焼いてくれる。
「俺いなくて平気?」
平気かと言われれば、あんまり平気じゃないけど。私の人間らしい生活は樹のおかげで保たれていると言っても過言ではないから。
でも夢を叶えるために頑張ってる樹に、私なんかが何か言えるわけない。
そりゃいつからかも覚えてないくらい長いこと片想いを続けてるけど、この想いを伝えるつもりはない。
もうそんな次元は超えた。
イケメンで努力家の樹に相応しい、自立した素敵な美人と真っ当な恋をして結婚してくれることを心の底から祈ってるから。
「へーき。頑張ってね。しんどくなったら福岡に帰ってこればいいから」
「ん。じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
大きな荷物を抱えて旅立っていく樹の背中を眺めながら、私はため息をついた。
「寂しくなりますなぁ」
当時17歳で高校2年生だった私は、夜、幼なじみからの電話に出ていた。
「もしもし、樹?武者修行ファイナルお疲れ様。どうしたの?」
幼稚園からずっと一緒の藤原樹。普段は寡黙な樹から電話がかかってくるなんて珍しい。
でも、今日は特別な日。
THE RAMPAGEの武者修行がファイナルを迎えた日だ。
「俺、THE RAMPAGEの正式メンバーになった」
「え?」
「今日のライブで発表があって。16人全員が正式にメンバー入りできた」
泣いてる。
電話の向こうで樹が泣いている。
だから私は樹の分まで、笑った。
「おめでとう。樹なら絶対THE RAMPAGEになれるって思ってた」
「うん…ありがと。さくらがそうやって信じてくれてたの知ってるから、1番に知らせたくて」
「当たり前だよ。幼なじみだもん」
幼なじみで、片想いの人だから。
「俺いなくなっても3つ子の姉妹に朝起こしてもらうようにお願いしたから。ていうか自分で起きれるようになれよ」
「無理。本読んでたら朝になっちゃうんだもん」
「はぁ…まぁいいや。あとこれ、寮の住所。何かあった時のために、一応。正月には帰るから」
「はいはい」
東京に行ってしまう樹。
出発の日の朝、私の家に来た樹は、今まで通りあれこれと世話を焼いてくれる。
「俺いなくて平気?」
平気かと言われれば、あんまり平気じゃないけど。私の人間らしい生活は樹のおかげで保たれていると言っても過言ではないから。
でも夢を叶えるために頑張ってる樹に、私なんかが何か言えるわけない。
そりゃいつからかも覚えてないくらい長いこと片想いを続けてるけど、この想いを伝えるつもりはない。
もうそんな次元は超えた。
イケメンで努力家の樹に相応しい、自立した素敵な美人と真っ当な恋をして結婚してくれることを心の底から祈ってるから。
「へーき。頑張ってね。しんどくなったら福岡に帰ってこればいいから」
「ん。じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
大きな荷物を抱えて旅立っていく樹の背中を眺めながら、私はため息をついた。
「寂しくなりますなぁ」
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