第一章
夢小説設定
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「伏せろ!」
言葉が通じるか不安だったが、どうやら理解してくれたらしい。人魚は水槽の中でぱっと頭を抱える。
刀を振り抜くと、強化ガラスでできた水槽がズバリと切れた。
ざばぁっ、と水が溢れ出る。
俺の背中を狙った銃弾を刃で弾き返しながら、さらに首輪から繋がる鎖も断ち切った。
「おいで」
手を伸ばす。
それでも人魚は怯えたように背中をガラスに押し付けてガタガタ震えているだけ。
無理もないか。今の彼女からしたら俺はただの殺人鬼だ。
「大丈夫。俺は味方だから」
微笑みかけて、水槽のふちからぐっと手を伸ばす。
敵が押し寄せてくる。あまり時間がない。
「早く!」
彼女の肩がびくりと跳ねた。
おずおずと、右手が俺の左手に重なる。
俺はふっと笑うとその手を思いっきり引っ張って、彼女を姫抱きに抱えあげた。
「翔平!船に戻るぞ!」
「あいあいさー!」
ぐっと敵の心臓にナイフを突き刺して、翔平が振り返る。
翔平に敵を払ってもらいながら会場を走り抜け、船が停泊する港へと走る。
と、前方に買い出しを終えたメンバーの背中が見えた。
「あ!樹と翔平!どこいってたんだよ~…って、あれ?何かヤバそうじゃね?」
翔吾さんが敵をわんさか引き連れて走ってくる俺たちを見て、顔を引き攣らせた。
「陣さ~ん!!!全部樹のせいです~!!!」
「あっアホ!話しかけんな仲間だとバレるやろが!」
もう遅い。
俺たち8人はまとめて船へ猛ダッシュ。背後からは大事な商品を奪われて怒り狂う敵が追いかけてくる。
「「ぎゃあああああああああああああああああ」」
船が見えてきた。舷縁にもたれていた拓磨が異変に気がついて俺たちを振り返る。
「えっ…な、何?何で追いかけられてんすか!?」
「船出せ!!出航!!」
みんなが岸から飛んだ。人間離れしたジャンプ力で甲板に飛び移る。
「出せ出せ出せ!」
陣さんの指示で16人みんなが弾かれたようにマストに飛びついた。
帆を張り、ゆっくりと船が動き出す。銃弾が船体に向かって何発も撃ち込まれるが、堅牢なガレオン船には痛くも痒くもない。
ピストルの射程範囲を超えたところで、俺たちはようやく息をつくことができた。
「はぁ…マジびびった…」
山彰さんが甲板に座り込む。非難がましい視線を俺たち買い出しグループへ向けた。
「買い出しに行っただけで何で追いかけられてんすか?」
「あ、あの…」
「いや、俺らのせいやないよ!いっちゃんと翔平が…」
「あの、」
「全部樹のせいですよ!俺は被害者だ!」
「あの!」
「「何だよ!?」」
みんながきっと俺を睨んだ。
「いや、俺じゃなくて」
俺の腕に抱えられた彼女が、遠慮がちに口を開く。
「あの…助けていただきありがとうございました…」
この時の15個の呆けた顔を、俺は一生忘れないだろう。
面白すぎた。
海上にみんなの絶叫が響く。
「「えええええええええええええええええ!!??」」
言葉が通じるか不安だったが、どうやら理解してくれたらしい。人魚は水槽の中でぱっと頭を抱える。
刀を振り抜くと、強化ガラスでできた水槽がズバリと切れた。
ざばぁっ、と水が溢れ出る。
俺の背中を狙った銃弾を刃で弾き返しながら、さらに首輪から繋がる鎖も断ち切った。
「おいで」
手を伸ばす。
それでも人魚は怯えたように背中をガラスに押し付けてガタガタ震えているだけ。
無理もないか。今の彼女からしたら俺はただの殺人鬼だ。
「大丈夫。俺は味方だから」
微笑みかけて、水槽のふちからぐっと手を伸ばす。
敵が押し寄せてくる。あまり時間がない。
「早く!」
彼女の肩がびくりと跳ねた。
おずおずと、右手が俺の左手に重なる。
俺はふっと笑うとその手を思いっきり引っ張って、彼女を姫抱きに抱えあげた。
「翔平!船に戻るぞ!」
「あいあいさー!」
ぐっと敵の心臓にナイフを突き刺して、翔平が振り返る。
翔平に敵を払ってもらいながら会場を走り抜け、船が停泊する港へと走る。
と、前方に買い出しを終えたメンバーの背中が見えた。
「あ!樹と翔平!どこいってたんだよ~…って、あれ?何かヤバそうじゃね?」
翔吾さんが敵をわんさか引き連れて走ってくる俺たちを見て、顔を引き攣らせた。
「陣さ~ん!!!全部樹のせいです~!!!」
「あっアホ!話しかけんな仲間だとバレるやろが!」
もう遅い。
俺たち8人はまとめて船へ猛ダッシュ。背後からは大事な商品を奪われて怒り狂う敵が追いかけてくる。
「「ぎゃあああああああああああああああああ」」
船が見えてきた。舷縁にもたれていた拓磨が異変に気がついて俺たちを振り返る。
「えっ…な、何?何で追いかけられてんすか!?」
「船出せ!!出航!!」
みんなが岸から飛んだ。人間離れしたジャンプ力で甲板に飛び移る。
「出せ出せ出せ!」
陣さんの指示で16人みんなが弾かれたようにマストに飛びついた。
帆を張り、ゆっくりと船が動き出す。銃弾が船体に向かって何発も撃ち込まれるが、堅牢なガレオン船には痛くも痒くもない。
ピストルの射程範囲を超えたところで、俺たちはようやく息をつくことができた。
「はぁ…マジびびった…」
山彰さんが甲板に座り込む。非難がましい視線を俺たち買い出しグループへ向けた。
「買い出しに行っただけで何で追いかけられてんすか?」
「あ、あの…」
「いや、俺らのせいやないよ!いっちゃんと翔平が…」
「あの、」
「全部樹のせいですよ!俺は被害者だ!」
「あの!」
「「何だよ!?」」
みんながきっと俺を睨んだ。
「いや、俺じゃなくて」
俺の腕に抱えられた彼女が、遠慮がちに口を開く。
「あの…助けていただきありがとうございました…」
この時の15個の呆けた顔を、俺は一生忘れないだろう。
面白すぎた。
海上にみんなの絶叫が響く。
「「えええええええええええええええええ!!??」」