｢橋を壊したのは式島だ。この先にうみもいる｣

北人さんが呟く。
その時。
俺たちの目の前に3人の男が立ち塞がった。
纏う雰囲気から、これまでの雑魚とは明らかに違うことが分かる。

｢海軍中尉、来丸、李原、瑠璃川。我々は式島准将からの命により、貴様らをここで仕留める｣
｢やれるもんならやってみろよ｣

慎が口を歪めて引き金を引く。
しかし来丸はそれをあっさりと躱した。

｢！｣

やっぱり只者ではない。
壱馬さん、慎、翔平が飛び出した。それぞれが敵と激しい戦いを繰り広げはじめる。

｢北人さん、樹、突っ切れ！！｣

翔平が叫ぶ。
俺と北人さんは3人が食い止めてくれている間にその隙間を突破した。
俺は振り返らない。
信じているから。翔平を。壱馬さんを、慎を。

｢樹！！！！！！！！！！！絶対うみを取り戻して帰ってこいよ！！！！！！！！！！｣

翔平の声が背中にぶつかる。俺は少し笑って呟いた。

｢相変わらず声デカすぎ｣

慎の二丁拳銃、壱馬さんの拳、翔平のナイフと蹴り。あれが揃えば怖いものなんて何も無い。

｢『恐怖の外科医』の診療室へようこそ｣
｢俺は『黒い稲妻』。てめぇの脳みそ、俺の拳という稲妻でかち割ってやる｣
｢『野生児』浦川翔平、ぶちかましまーす！｣