第二章
夢小説設定
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空きっぱなしの扉の向こう。
ドクロと握りこぶしのシンボルを掲げた、黒い旗。
「何で……!?」
また爆発音がして、船が揺れた。
船首で大砲を撃ちまくるのは砲撃手、昂秀さん。さらにその隣では海青さんが例の砲弾素手撃ちをしている。
どうして。
その時。
船嘴に立った、ひとりの人物。
そのひとは鋭く光る日本刀をまっすぐ天へと掲げ、おもむろに口を開いた。
そして。
「うみ────────────────────!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その絶叫に呼応するように、獣の咆哮がこだました。
THE RAMPAGE号の後ろで、シロナガスクジラがその巨体を海面に叩きつけ、水柱を上げる。
「あれは……!!」
あれは、風邪が治った時の海中散歩で知り合い、先日海軍を呼ぶように頼んだ鯨。
彼がみんなを連れてきたんだ。
あぁ、そんな。
身体が勝手に震え出す。
喜びか、それとも悲しみか。
「樹さん…………………………………!!」
どうして。
私はみんなを巻き込みたくなくて、傷つけたくなくて、海軍のもとに下ったのに。
どうして、自ら戦火の中に飛び込んできてしまうのか。
どうして、このまま死なせてくれないんだろうか。
と、式島が鎖を掴んで私を無理やり水槽から引っ張り出した。
「来い」
「いやっ…!待ってください!彼らには手を出さない約束でしょう!?」
式島が私を見下ろす。
その瞳に冷たい殺気が宿っているのを見て、私は息を飲んだ。
「我々は一方的に襲撃してきた海賊THE RAMPAGEから身を守るため、かつ市民の安全の今後の安全のために交戦するだけだ。こちらから仕掛けた覚えはない」
「そんな…!そんなの!」
腹の底から熱いものが湧き上がってきた。
悔しい。
悔しい、悔しい、悔しい…!
がむしゃらに暴れる私の鎖を掴んで、式島は扉とは反対の方向に引きずっていく。
「お前ら!島に降りるぞ、人魚は死守しろ!」
「「はっ!」」
隠し扉から現れる海兵たち。
底知れぬ恐怖に囚われた私は、思わず叫んでいた。
「樹さん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
届くはずないと思っていた声。
それでも、樹さんはぱっとこっちを振り返る。
目が合った。
しかし、そのせつなに後頭部にガツンと衝撃が。
ぐらりと視界が揺らぐ。
薄れゆく意識のなかで、私は必死に手を伸ばした。
「助け、て」
ドクロと握りこぶしのシンボルを掲げた、黒い旗。
「何で……!?」
また爆発音がして、船が揺れた。
船首で大砲を撃ちまくるのは砲撃手、昂秀さん。さらにその隣では海青さんが例の砲弾素手撃ちをしている。
どうして。
その時。
船嘴に立った、ひとりの人物。
そのひとは鋭く光る日本刀をまっすぐ天へと掲げ、おもむろに口を開いた。
そして。
「うみ────────────────────!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その絶叫に呼応するように、獣の咆哮がこだました。
THE RAMPAGE号の後ろで、シロナガスクジラがその巨体を海面に叩きつけ、水柱を上げる。
「あれは……!!」
あれは、風邪が治った時の海中散歩で知り合い、先日海軍を呼ぶように頼んだ鯨。
彼がみんなを連れてきたんだ。
あぁ、そんな。
身体が勝手に震え出す。
喜びか、それとも悲しみか。
「樹さん…………………………………!!」
どうして。
私はみんなを巻き込みたくなくて、傷つけたくなくて、海軍のもとに下ったのに。
どうして、自ら戦火の中に飛び込んできてしまうのか。
どうして、このまま死なせてくれないんだろうか。
と、式島が鎖を掴んで私を無理やり水槽から引っ張り出した。
「来い」
「いやっ…!待ってください!彼らには手を出さない約束でしょう!?」
式島が私を見下ろす。
その瞳に冷たい殺気が宿っているのを見て、私は息を飲んだ。
「我々は一方的に襲撃してきた海賊THE RAMPAGEから身を守るため、かつ市民の安全の今後の安全のために交戦するだけだ。こちらから仕掛けた覚えはない」
「そんな…!そんなの!」
腹の底から熱いものが湧き上がってきた。
悔しい。
悔しい、悔しい、悔しい…!
がむしゃらに暴れる私の鎖を掴んで、式島は扉とは反対の方向に引きずっていく。
「お前ら!島に降りるぞ、人魚は死守しろ!」
「「はっ!」」
隠し扉から現れる海兵たち。
底知れぬ恐怖に囚われた私は、思わず叫んでいた。
「樹さん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
届くはずないと思っていた声。
それでも、樹さんはぱっとこっちを振り返る。
目が合った。
しかし、そのせつなに後頭部にガツンと衝撃が。
ぐらりと視界が揺らぐ。
薄れゆく意識のなかで、私は必死に手を伸ばした。
「助け、て」