第二章
夢小説設定
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「海賊THE RAMPAGEの船とお見受けする!我らは海軍第13支部!即刻武器を捨てて投降せよ!」
「…だそうですけど」
そう言って振り返った海青さんに、力矢さんは顎をしゃくった。
「例のやつ、見せてやれ」
「うっす」
例のやつってなんだろうと思っていると、海青さんはおもむろに砲弾を手に取った。
でも、船尾には大砲なんて…
そんな私の心配は杞憂に変わる。
海青さんは狙いを定めると、砲弾を持った右腕を思いっきり振り抜いた。
ドカァン!!!!!
爆発。
砲弾は敵船を直撃し、鋼鉄の外板を突き破る驚異的な威力を見せた。
「ほ、砲弾を素手で撃った…」
「にゃあ」
船室から様子を見ていた私と樹さんの猫たちは、その人間離れした腕力に恐れおののく。
消火のためにプチパニック状態の船上。
そんな中、海青さんの砲弾素手撃ちにも全く動じない男がいた。
「貴様らに言わねばならないこと、聞かねばならないことがある」
「誰や自分」
「私は海軍准将、式島だ。貴様はTHE RAMPAGEキャプテンのひとり、坂本陣だな?」
「だったら何やねん」
「貴様の懸賞金が上がった」
「何やて!?」
何で陣さん嬉しそうなんだろう。
「貴様だけではない。THE RAMPAGEの船員16名、全員の懸賞金が大幅に上がっている」
「マジか!!やった!!」
だから何で健太さんは嬉しそうなんだろう。ていうか全員喜んでるけど。
狂喜乱舞のTHE RAMPAGE号はよそに、式島と名乗った男は手配書の束を取り出した。
「エリオット・ロシャード・力矢、1億円。坂本陣、同じく1億円。青山陸、川村壱馬、吉野北人、9000万円。神谷健太、与那嶺瑠唯、山本彰吾、8000万円。岩谷翔吾、7500万円。浦川翔平、藤原樹、武知海青、7000万円。長谷川慎、阿多龍太郎、鈴木昴秀、後藤拓磨、6500万円。以上、船員合計9億7500万円。これが貴様らの懸賞金だ」
思わず息を呑む。
合計で約10億円…?
「陣くん!!俺ら1億の大台に!!」
「頑張って海賊やってきたかいがありますね力矢さん!!」
「えぇ~ちょっと!陣くんが1億なら同い歳の俺もあと1000万円あげてよ!」
敵を目の前にしてよく分からない理由で大騒ぎするみんな。
やっぱり何で喜んでるのか分からない。それだけ命を狙われる危険が増えるということなのに。
「…でも、何でこのタイミングで懸賞金アップ?」
その時、ぼそりと山彰さんがひとり冷静に呟いた。
確かにそうだ。どうしてこんな時期に。
式島は手配書を仕舞いながら、続けて言う。
「鋭いな山本。懸賞金が上がった理由は私が聞きたいことに関連している」
「は?」
「フレドリカ島の『生花販売所』にて問題を起こしたのは貴様らで間違いないな?今回我々海軍がTHE RAMPAGE全体の懸賞金を上げた理由はその事件の重大性を鑑みてのことだ」
フレドリカ島は、私とTHE RAMPAGEのみんなが出会った場所だ。
でも、生花販売所って何だろう。花を売る場所?
その時ふと私の頭に浮かんだのは『花売り』という言葉だった。
人身売買の売人のことを、花売りと呼ぶことがある。
つまり。
生花販売所とはあの違法オークションのことなんだ。
私は恐ろしくなって、猫を抱く腕に力を込めた。
命を売り買いするなんて、あんな非人道的なことを政府は黙認していたのだ。
(いや、もしかしたら)
政府や軍部もあそこを利用していたのかもしれない。
みんなもそれに気づいたのだろう、怒りで顔を歪ませた。
翔吾さんが吐き捨てるように言う。
「腐ってんな」
式島はそれを黙殺して、さらに話を続ける。
「私が聞きたいことはひとつ」
切れ長の瞳が鋭く光った。
「そこで貴様らが強奪した人魚の居場所を教えろ」
心臓が縮み上がるのが自分で分かった。
私を探してる。
身体が勝手に震えだして、猫の柔らかい毛並みに顔を埋めた。マンチカンのまいるは心配するように私の頬をぺろりと舐めてくれる。
「…俺たちが海軍の言うことなんか聞くわけないだろ」
樹さんの背中から殺気が滲み出ていた。
樹さんだけじゃない。
16人みんなが静かな怒りを漲らせて、式島を睨みつけている。
式島はそんなみんなの様子を見て、初めて笑顔を見せた。
「ならば、力ずくで聞き出すまでだ」
「…だそうですけど」
そう言って振り返った海青さんに、力矢さんは顎をしゃくった。
「例のやつ、見せてやれ」
「うっす」
例のやつってなんだろうと思っていると、海青さんはおもむろに砲弾を手に取った。
でも、船尾には大砲なんて…
そんな私の心配は杞憂に変わる。
海青さんは狙いを定めると、砲弾を持った右腕を思いっきり振り抜いた。
ドカァン!!!!!
爆発。
砲弾は敵船を直撃し、鋼鉄の外板を突き破る驚異的な威力を見せた。
「ほ、砲弾を素手で撃った…」
「にゃあ」
船室から様子を見ていた私と樹さんの猫たちは、その人間離れした腕力に恐れおののく。
消火のためにプチパニック状態の船上。
そんな中、海青さんの砲弾素手撃ちにも全く動じない男がいた。
「貴様らに言わねばならないこと、聞かねばならないことがある」
「誰や自分」
「私は海軍准将、式島だ。貴様はTHE RAMPAGEキャプテンのひとり、坂本陣だな?」
「だったら何やねん」
「貴様の懸賞金が上がった」
「何やて!?」
何で陣さん嬉しそうなんだろう。
「貴様だけではない。THE RAMPAGEの船員16名、全員の懸賞金が大幅に上がっている」
「マジか!!やった!!」
だから何で健太さんは嬉しそうなんだろう。ていうか全員喜んでるけど。
狂喜乱舞のTHE RAMPAGE号はよそに、式島と名乗った男は手配書の束を取り出した。
「エリオット・ロシャード・力矢、1億円。坂本陣、同じく1億円。青山陸、川村壱馬、吉野北人、9000万円。神谷健太、与那嶺瑠唯、山本彰吾、8000万円。岩谷翔吾、7500万円。浦川翔平、藤原樹、武知海青、7000万円。長谷川慎、阿多龍太郎、鈴木昴秀、後藤拓磨、6500万円。以上、船員合計9億7500万円。これが貴様らの懸賞金だ」
思わず息を呑む。
合計で約10億円…?
「陣くん!!俺ら1億の大台に!!」
「頑張って海賊やってきたかいがありますね力矢さん!!」
「えぇ~ちょっと!陣くんが1億なら同い歳の俺もあと1000万円あげてよ!」
敵を目の前にしてよく分からない理由で大騒ぎするみんな。
やっぱり何で喜んでるのか分からない。それだけ命を狙われる危険が増えるということなのに。
「…でも、何でこのタイミングで懸賞金アップ?」
その時、ぼそりと山彰さんがひとり冷静に呟いた。
確かにそうだ。どうしてこんな時期に。
式島は手配書を仕舞いながら、続けて言う。
「鋭いな山本。懸賞金が上がった理由は私が聞きたいことに関連している」
「は?」
「フレドリカ島の『生花販売所』にて問題を起こしたのは貴様らで間違いないな?今回我々海軍がTHE RAMPAGE全体の懸賞金を上げた理由はその事件の重大性を鑑みてのことだ」
フレドリカ島は、私とTHE RAMPAGEのみんなが出会った場所だ。
でも、生花販売所って何だろう。花を売る場所?
その時ふと私の頭に浮かんだのは『花売り』という言葉だった。
人身売買の売人のことを、花売りと呼ぶことがある。
つまり。
生花販売所とはあの違法オークションのことなんだ。
私は恐ろしくなって、猫を抱く腕に力を込めた。
命を売り買いするなんて、あんな非人道的なことを政府は黙認していたのだ。
(いや、もしかしたら)
政府や軍部もあそこを利用していたのかもしれない。
みんなもそれに気づいたのだろう、怒りで顔を歪ませた。
翔吾さんが吐き捨てるように言う。
「腐ってんな」
式島はそれを黙殺して、さらに話を続ける。
「私が聞きたいことはひとつ」
切れ長の瞳が鋭く光った。
「そこで貴様らが強奪した人魚の居場所を教えろ」
心臓が縮み上がるのが自分で分かった。
私を探してる。
身体が勝手に震えだして、猫の柔らかい毛並みに顔を埋めた。マンチカンのまいるは心配するように私の頬をぺろりと舐めてくれる。
「…俺たちが海軍の言うことなんか聞くわけないだろ」
樹さんの背中から殺気が滲み出ていた。
樹さんだけじゃない。
16人みんなが静かな怒りを漲らせて、式島を睨みつけている。
式島はそんなみんなの様子を見て、初めて笑顔を見せた。
「ならば、力ずくで聞き出すまでだ」