第二章
夢小説設定
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そろそろ次の島が近いという山彰さんの見立てがあったので海におりて魚たちに話を聞いていたある日。
私はかなり遠くの海に、THE RAMPAGEのものではない船影を見つけた。
「…?何だろう」
とにかくみんなに報告した方がいい。私は船の上に戻った。
「あの、6時の方向に船が来てるんですけど」
「船?」
タオルを渡してくれた樹さんが首を傾げ、メインマストの見張り台に立つ昂秀さんに声をかける。
「昂秀~、後方に何か見える?」
「え?あー…あっはい!ガレオン船とキャラック船が2隻ずつの計4隻!」
「4隻?海賊船ってわけじゃなさそうだな」
力矢さんが首を捻った。
海賊船というものは基本的に単独か、母船となる大型の船に小型で小周りの効く帆船と共に行動することが多い。
4隻で並んで航行しているとなると…
「商船だったら嬉しいけど」
「海軍とかやったら厄介やな」
慎さんと壱馬さんが眉間にシワをよせてまだ米粒ほどにしか見えない4つの船を睨んだ。
海軍。
THE RAMPAGEは海賊、海軍とは敵同士だ。
「陣さん力矢さん、どうしますか?多分向こうも俺らに気づいてますけど」
瑠唯さんに尋ねられた船長2人はしばらく何事かを相談していたが、ふいに私を振り返った。
「うみ、ちょっとだけ寄り道してもええか?」
「え?」
「一刻も早く両親の所に戻りたいだろうけど、でも俺たちはあの船を無視できない。資金繰りも余裕があるわけじゃないからもしあれが商船なら金品が手に入るかもしれないし、海軍の船だったら敵の手前逃げることもしたくない。すぐに終わらせるから」
力矢さんも陣さんも、私の目をまっすぐ見て話してくれる。
海賊は野蛮な人たちだと聞いていたけど、THE RAMPAGEのみんなは私の想像していた海賊像とは全く違う。
そりゃ敵とみなした相手には私から見ても寒気がするほど冷徹だけど、筋を通そうとする姿勢は誰よりもかっこいい。
「大丈夫です。この船の行先を決めるのは皆さんですから」
私が微笑むと、みんなは力強く頷いた。
「あ、でもひとつ約束してくれませんか」
「約束?」
「はい」
甲板で戦闘スキルの向上に取り組んでいるみんなの腕や脚やむき出しの背中に幾つも刻まれた傷跡を、私は知っている。
いくら他の人より頑丈でも、人間とは脆い生き物だ。
少なくとも、人魚よりは。
「無事でいてください…どうか死なないで。お願いします」
人間にも優しい人がいるのだと教えてくれた、大切な人たちだから。
失うのが恐ろしい。
拳をぎゅっと握って、潤んだ瞳でみんなを見つめていると、樹さんがふっと微笑んだ。
「俺たちが誰だったか忘れたの?」
「え…?」
私の頭をくしゃりと撫でる樹さんの手に、また胸がきゅっと切なくなる。
樹さんは私の顔を覗き込んで不敵に笑った。
「THE RAMPAGEだよ?」
私はかなり遠くの海に、THE RAMPAGEのものではない船影を見つけた。
「…?何だろう」
とにかくみんなに報告した方がいい。私は船の上に戻った。
「あの、6時の方向に船が来てるんですけど」
「船?」
タオルを渡してくれた樹さんが首を傾げ、メインマストの見張り台に立つ昂秀さんに声をかける。
「昂秀~、後方に何か見える?」
「え?あー…あっはい!ガレオン船とキャラック船が2隻ずつの計4隻!」
「4隻?海賊船ってわけじゃなさそうだな」
力矢さんが首を捻った。
海賊船というものは基本的に単独か、母船となる大型の船に小型で小周りの効く帆船と共に行動することが多い。
4隻で並んで航行しているとなると…
「商船だったら嬉しいけど」
「海軍とかやったら厄介やな」
慎さんと壱馬さんが眉間にシワをよせてまだ米粒ほどにしか見えない4つの船を睨んだ。
海軍。
THE RAMPAGEは海賊、海軍とは敵同士だ。
「陣さん力矢さん、どうしますか?多分向こうも俺らに気づいてますけど」
瑠唯さんに尋ねられた船長2人はしばらく何事かを相談していたが、ふいに私を振り返った。
「うみ、ちょっとだけ寄り道してもええか?」
「え?」
「一刻も早く両親の所に戻りたいだろうけど、でも俺たちはあの船を無視できない。資金繰りも余裕があるわけじゃないからもしあれが商船なら金品が手に入るかもしれないし、海軍の船だったら敵の手前逃げることもしたくない。すぐに終わらせるから」
力矢さんも陣さんも、私の目をまっすぐ見て話してくれる。
海賊は野蛮な人たちだと聞いていたけど、THE RAMPAGEのみんなは私の想像していた海賊像とは全く違う。
そりゃ敵とみなした相手には私から見ても寒気がするほど冷徹だけど、筋を通そうとする姿勢は誰よりもかっこいい。
「大丈夫です。この船の行先を決めるのは皆さんですから」
私が微笑むと、みんなは力強く頷いた。
「あ、でもひとつ約束してくれませんか」
「約束?」
「はい」
甲板で戦闘スキルの向上に取り組んでいるみんなの腕や脚やむき出しの背中に幾つも刻まれた傷跡を、私は知っている。
いくら他の人より頑丈でも、人間とは脆い生き物だ。
少なくとも、人魚よりは。
「無事でいてください…どうか死なないで。お願いします」
人間にも優しい人がいるのだと教えてくれた、大切な人たちだから。
失うのが恐ろしい。
拳をぎゅっと握って、潤んだ瞳でみんなを見つめていると、樹さんがふっと微笑んだ。
「俺たちが誰だったか忘れたの?」
「え…?」
私の頭をくしゃりと撫でる樹さんの手に、また胸がきゅっと切なくなる。
樹さんは私の顔を覗き込んで不敵に笑った。
「THE RAMPAGEだよ?」