第二章
夢小説設定
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HIROさんと色んな話をした。
みんなの小さい頃の話、私の話。
HIROさんの優しく包み込むような雰囲気でいつもよりよく喋ってしまう。
「でも、あいつらのことちょっと強くしすぎちゃったかなぁ。もはや人間のレベルを超えてる感ある」
「それは思います」
「ははっ、やっぱり?子育てって難しいわ」
HIROさんは、どうしてみんなをここまで鍛え上げたんだろう。ただ海賊にするのなら、こんなに強くしなくてもよかったんじゃないだろうか。
そもそも、どうしてこの人数の孤児を赤ん坊から育てようなんて思ったのか。
「子供が好きなんですか?」
「え?」
HIROさんはきょとんとして私を見た。
「だって、よほどの子供好きで愛がなければここまで素敵な人に育て上げることはできないと思うんです」
見も知らぬ、しかも種族も異なる私に親切にしてくれたみんな。
恐ろしいだけの存在だった人間への見方を変えてくれたひとたち。
その底知れない優しさは、きっとHIROさんの教育の賜物…
そう思って見上げた横顔は、私の予想したものとは違った。
HIROさんの瞳に得体の知れぬ感情がよぎる。
「…どうだろうな」
「え?」
「きっとあいつらがあんなにも優しいのは元々だ。むしろ俺は、あいつらを殺戮兵器まがいに育ててしまった悪い親なのかもしれない。育てたのが俺じゃなければ、あいつらはもっと…」
怖い。
その目が。
あまりにも悲しそうなその瞳が、心底恐ろしかった。
「そ、そんなことないです!THE RAMPAGEのみなさんの優しさは、環境や育ててくださったHIROさんたちの影響だと思います!」
その感情と言葉の裏に隠れた意味を知ってしまったら、HIROさんを見る目が変わってしまいそうで。
それが怖い。
慌てて言い募った私に微笑みかけたHIROさんの顔からは、さっきの言い知れぬ感情は消えていた。
私は少しほっとして、レモンサワーのグラスを傾ける。
「まぁ、とにかくあいつらは本当に純粋で良い奴だからきっと家まで送り届けてもらえると思う。安心してくれていい」
「はい。ありがとうございます」
「人魚の恋人とかはいないの?」
突然尋ねられ、お酒が変なところに入りそうになった。
ゲホゲホとむせる私を、HIROさんは愉快そうに眺めている。
「いっ…いませんよ!ていうか他に人魚の生き残りがいるのかどうかも怪しいんですから」
「そうか…じゃあTHE RAMPAGEの誰かと恋をするんだったら誰がいい?」
またむせた。
HIROさんは悪戯っぽく笑っている。
「やめてください…みなさん本当に素敵な方ですし、私が偉そうに選ぶなんてお、おこがましいというか…それにそもそも種族が違います!」
「恋や愛に種族なんて関係ないさ」
「ありますよ…」
だって私は海、人間は陸。たとえ心が通じあっていても、一緒に暮らすことなんてできない。
「だってほら、俺たちもあいつらも海賊だ」
海賊?
海賊だからどうしたというのだろう。
「海賊は海に魅了され陸を捨てた者たちだ。あいつらだってきっと愛する者のためだったら一生海の上でも構わないと思うけど?」
「え、」
改めて大騒ぎする16人を見つめる。
そうか。
彼らは海賊。
冒険とロマンを海に求めた人たち。
「で、これはあいつらの育ての親として俺が個人的に気になってるだけなんだけど。誰がいい?」
私が、もしあの中の誰かを好きになることを許されるのならば。
私が選ぶのは。
無意識のうちに触れたのは、胸元のネックレス。
幻のトルマリン。
「え、えっと…」
「うんうん」
HIROさんの目がキラキラしている。
私はネックレスを握る手にきゅっと力を込めて小さく言った。
「い、樹さん……です…………」
みんなの小さい頃の話、私の話。
HIROさんの優しく包み込むような雰囲気でいつもよりよく喋ってしまう。
「でも、あいつらのことちょっと強くしすぎちゃったかなぁ。もはや人間のレベルを超えてる感ある」
「それは思います」
「ははっ、やっぱり?子育てって難しいわ」
HIROさんは、どうしてみんなをここまで鍛え上げたんだろう。ただ海賊にするのなら、こんなに強くしなくてもよかったんじゃないだろうか。
そもそも、どうしてこの人数の孤児を赤ん坊から育てようなんて思ったのか。
「子供が好きなんですか?」
「え?」
HIROさんはきょとんとして私を見た。
「だって、よほどの子供好きで愛がなければここまで素敵な人に育て上げることはできないと思うんです」
見も知らぬ、しかも種族も異なる私に親切にしてくれたみんな。
恐ろしいだけの存在だった人間への見方を変えてくれたひとたち。
その底知れない優しさは、きっとHIROさんの教育の賜物…
そう思って見上げた横顔は、私の予想したものとは違った。
HIROさんの瞳に得体の知れぬ感情がよぎる。
「…どうだろうな」
「え?」
「きっとあいつらがあんなにも優しいのは元々だ。むしろ俺は、あいつらを殺戮兵器まがいに育ててしまった悪い親なのかもしれない。育てたのが俺じゃなければ、あいつらはもっと…」
怖い。
その目が。
あまりにも悲しそうなその瞳が、心底恐ろしかった。
「そ、そんなことないです!THE RAMPAGEのみなさんの優しさは、環境や育ててくださったHIROさんたちの影響だと思います!」
その感情と言葉の裏に隠れた意味を知ってしまったら、HIROさんを見る目が変わってしまいそうで。
それが怖い。
慌てて言い募った私に微笑みかけたHIROさんの顔からは、さっきの言い知れぬ感情は消えていた。
私は少しほっとして、レモンサワーのグラスを傾ける。
「まぁ、とにかくあいつらは本当に純粋で良い奴だからきっと家まで送り届けてもらえると思う。安心してくれていい」
「はい。ありがとうございます」
「人魚の恋人とかはいないの?」
突然尋ねられ、お酒が変なところに入りそうになった。
ゲホゲホとむせる私を、HIROさんは愉快そうに眺めている。
「いっ…いませんよ!ていうか他に人魚の生き残りがいるのかどうかも怪しいんですから」
「そうか…じゃあTHE RAMPAGEの誰かと恋をするんだったら誰がいい?」
またむせた。
HIROさんは悪戯っぽく笑っている。
「やめてください…みなさん本当に素敵な方ですし、私が偉そうに選ぶなんてお、おこがましいというか…それにそもそも種族が違います!」
「恋や愛に種族なんて関係ないさ」
「ありますよ…」
だって私は海、人間は陸。たとえ心が通じあっていても、一緒に暮らすことなんてできない。
「だってほら、俺たちもあいつらも海賊だ」
海賊?
海賊だからどうしたというのだろう。
「海賊は海に魅了され陸を捨てた者たちだ。あいつらだってきっと愛する者のためだったら一生海の上でも構わないと思うけど?」
「え、」
改めて大騒ぎする16人を見つめる。
そうか。
彼らは海賊。
冒険とロマンを海に求めた人たち。
「で、これはあいつらの育ての親として俺が個人的に気になってるだけなんだけど。誰がいい?」
私が、もしあの中の誰かを好きになることを許されるのならば。
私が選ぶのは。
無意識のうちに触れたのは、胸元のネックレス。
幻のトルマリン。
「え、えっと…」
「うんうん」
HIROさんの目がキラキラしている。
私はネックレスを握る手にきゅっと力を込めて小さく言った。
「い、樹さん……です…………」